愛馬初のGⅠ馬 エスポワールシチー 第34戦


重賞10勝、GⅠ7勝の2009年、2010年のJRA賞最優秀ダートホース。


しかし2011年は本格化したスマートファルコンやトランセンドに歯が立たず、2012年最初はGⅢでも足元をすくわれ、衰えは隠せない。

もうGⅠでは勝てないのかと思っていたが、5月にかしわ記念、10月に南部杯と相性の良いJpnⅠを2つ優勝。

確かに相手に恵まれた感は強く、時計や走りも往年のものではない。

それでも7歳にして2つのタイトルを獲れたことは嬉しいし、本年度フェブラリーSの勝ち馬テスタマッタが低迷する現状では2年ぶりのJRA賞最優秀ダートホースも十分可能性はある。

相次ぐ主力の故障(スマートファルコン、ゴルトブリッツなど)や低迷(トランセンド、テスタマッタなど)に助けられている感は否めないが、古豪としていまだ健在。


次走はダート界の最大の目標・ジャパンカップダート!!

突出した馬がいない今年はエスポワールシチーも十分主役。

勝って最優秀ダートホースになりたいぞ。


12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際招待に出走!!

鞍上は主戦の佐藤哲三騎手が24日に落馬負傷で武豊騎手に。

10着/2番人気。

確かにハイペースだったが、全盛期のエスポはハイラップで飛ばしていても最後までしぶとかった。

やはり追い切りの動きも全盛期とはほど遠い状態だし、追い切りの強さも以前よりも全然軽い。

私はすでに現実を見ているので勝ち負けに絡めないことに対してはさほどの衝撃はないが、国内で初めて掲示板を外したことに関してはショック。

そのショックが大きく、レース後の更新が大幅に遅れたことをお詫びいたします。

それにしても武豊騎手も追う力がなくなってしまって寂しい。


レース回顧と時計の分析、レース後の武豊騎手と安達昭夫調教師のコメントを掲載。

写真多数付現地観戦レポート。

(2013年1月8日完結)

2012年11月9日立ち上げ

●前走後、在厩で調整されています 次走は予定通り12月2日 ジャパンカップダート GⅠ!!

 我らが愛馬エスポワールシチーは前走後在厩で調整をされています。

 次走は当初からの予定通り

12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際招待です。

 なんと言っても2つしかない中央でのダートGⅠ。やはり地方と中央では同じGⅠでも格が違いすぎます。そして何よりも賞金です。ジャパンカップダートの優勝賞金は1億3千万円。これは皐月賞や菊花賞といったGⅠよりも高額で、春に行われるダートGⅠのフェブラリーSは9400万円ですから、それをも大きく凌ぎ、名実ともにダートの国内最高峰のレースです。

 ちなみに地方ではJBCクラシックが優勝賞金8000万円(以前は1億の時もあった)と最高額で、エスポワールシチーの優勝したかしわ記念は6000万円、南部杯はJpnⅠですが4500万円しかありません。

 そして中央の凄いところは2着以下の賞金が充実しているところです。地方ですと、2着馬は1着馬に比べて随分と賞金が少なくなりますが、ジャパンカップダートですと、2着で5200万円、3着で3300万円と2着でも南部杯の優勝賞金を大きく超えます。エスポワールシチーは昨年のこのレースは3着でしたが、それでも1口37000円もの配当がありました。ちょうど中央のGⅢを優勝するのと同程度の金額と言えます。

 ですから、万が一優勝は逃しても2着でも3着でも、そしてそれ以下でも、8着以内であれば非常に高額な賞金が貰えます。


 エスポワールシチーは南部杯の優勝で獲得賞金は8億4435万円です(付加賞除く)。ここを勝てば夢の10億円が見えてきます。今回はメンバー的に勝てないこともないと思いますし、楽しみですねぇ。

 さすがに来年は厳しいでしょうから、このチャンスをモノにして欲しいですね。

●注目のJBCクラシックはワンダーアキュートが悲願のGⅠ制覇

 11月5日に川崎競馬場で第12回JBCクラシックが開催されました。エスポワールシチーが次走出走するジャパンカップダートを占う上で、最も注目だったクラシックは5番人気のワンダーアキュートが勝ちました。

 この馬、昨年のジャパンカップダートではエスポに先着していますし、その時も強くなったなぁという印象でした。

 世間的には伏兵が勝ったので、これでジャパンカップダートは1番人気がローマンレジェンド、2番人気がエスポワールシチーなどと思われるかも知れませんが、ワンダーアキュートは以前の善戦マンではないと私は思っています。少なくともエスポが勝った名古屋大賞典ほどの差はないでしょう。

 いや、昨年のジャパンカップダートではもう力量的には追い越されたとさえ思いました。ワンダーは出遅れての2着でしたからね。今回のJBCクラシックでは休養明けが懸念されたもののトランセンドやソリタリーキング、シビルウォーといった強敵を退けたことで叩き2走目のジャパンカップダートでは勝ち負け必至と考えます。

 3着とはいえ、トランセンドもドバイ遠征から長期休養明けを1度使われて次は上積みがあるでしょうし、テスタマッタも嵌まればフェブラリーSの再現があるかも知れません。

 なお、地方の雄・フリオーソは東京大賞典からの復帰予定ということです。

●前哨戦のみやこS GⅢはローマンレジェンドが圧勝

 11月4日に行われたジャパンカップダートの前哨戦 第3回 みやこS GⅢはエルムSでエスポワールシチーをクビ差退け5連勝で初重賞制覇を成し遂げた断トツ1番人気のローマンレジェンドが圧勝。

 レースは4連勝中で交流GⅠの優勝馬ハタノヴァンクールや東海S GⅡ2着で前走の白山大賞典JpnⅢの勝ち馬ニホンピロアワーズ、レパードS GⅢの勝ち馬ホッコータルマエ、交流JpnⅠ ジャパンダートダービーの勝ち馬グレープブランデーなど大変豪華なメンバーが集まる1戦で注目されましたが、ローマンレジェンドは直線で蓋をされて出るところがなくなるも、前が開いてからは素晴らしい伸びを見せ、連勝を6に伸ばしました。

 この相手にこの強さですから、もはや実力はGⅠ級でしょう。ただ、エスポ以外の一線級(スマートファルコン、トランセンド、ワンダーアキュート)とは戦っていませんし、エスポに先着したと言ってもクビ差で斤量差は3キロもありました。

 ただ、強い相手と戦うことでどんどんと強くなっているのは実感できますし、勢いのある若い馬がエスポにとって一番強敵だと思います。

 ジャパンカップダートもおそらくこの馬が1番人気になるのではないでしょうか。


 そのローマンレジェンドの藤原英昭調教師がみやこSのレース前にこのようなコメントをされていました。「前走(エルムS)がしんどい競馬だったので休ませたからな。順調に来ている」(デイリー馬三郎)。4連勝で重賞奪取に臨み見事戴冠した昇り馬のローマンレジェンドでしたが、斤量3キロ増の古豪・エスポワールシチーに最後まで食い下がられ、やはり相当に消耗していたようです。

 さすがのエスポワールシチーも疲れが出ましたが、こちらは1か月後の南部杯に出走し、見事に優勝しました。現状ではまだエスポワールシチーの方が力は上ですね。もちろん、若い力で、いずれどこかで逆転されると思いますが。

●トゥザグローリーが参戦

 今回のジャパンカップダートには、芝で重賞5勝のキャロットクラブの超良血馬トゥザグローリーが参戦を表明しています。実績は物凄いものがありますが、さすがに初ダートですし、一線級を相手に勝つまでは至らないと思うのですが、母は砂のドバイワールドカップGⅠの2着馬トゥザヴィクトリーですからなんだか気持ち悪いですね。

これ以降は2012年11月19日に作成

●気になる特別登録表(12月2日 阪神11R ジャパンカップダート GⅠ)

特別登録表 12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際 定量 

第1回登録完了馬 全20頭 フルゲート 16頭  
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
アイファーソング 川須栄彦 57.0 11/17 花園16下 京都ダ1800 11
イジゲン ムーア 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
エスポワールシチー 佐藤哲三 57.0 10/08 南部GⅠ 盛岡ダ1600
グレープブランデー 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
シビルウォー 内田博幸 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ストローハット 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ソリタリーキング 浜中俊 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ダノンカモン スミヨン 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 15
トゥザグローリー ウイリアムズ 57.0 10/28 天皇GⅠ 東京芝2000 18 11 12 10
トランセンド 藤田伸二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 13
トリップ 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 16
ナイスミーチュー 小牧太 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ナムラタイタン 熊沢重文 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ニホンピロアワーズ 酒井学 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ハタノヴァンクール 四位洋文 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800 10
ホッコータルマエ 幸英明 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ボレアス 川田将雅 57.0 11/11 アンOP 京都芝2000 13 15
ミラクルレジェンド 55.0 11/05 JBレ 川崎ダ1600
ローマンレジェンド 岩田康誠 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ワンダーアキュート 和田竜二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 10

●出走馬のレーティング発表

日本馬(中央馬・地方馬)のレーティング順位表

順 位 馬 名 レーティング 備 考
トランセンド 119  
トゥザグローリー 118  
ワンダーアキュート 115  
エスポワールシチー 115  
ダノンカモン 113  
ミラクルレジェンド 109 牝馬
ハタノヴァンクール 111  
イジゲン 110  
シビルウォー 110  

ジャパンカップダート(GI)に特別登録した馬のレーティング順位(110以上)をお知らせいたします。なお、出馬投票を行う馬のうち、レーティング順位の上位5頭は他の日本馬より優先して出走できます。

 ということで、我らが愛馬エスポワールシチーは賞金でもレイティングでも出走確定です。ワンダーアキュートと数字上は同評価ですが、そんなもんでしょう。ダノンカモンと僅差なのは、なんだか異論がありますが(笑)。

これ以降は2012年11月25日に作成

●エスポワールシチーの鞍上は佐藤哲三騎手負傷の為に武豊騎手に

 11月24日の京都10Rで落馬負傷したエスポワールシチーの主戦・佐藤哲三騎手ですが、診断の結果は左上腕骨開放骨折、左肩甲骨骨折、外傷性気胸、L4(腰椎)横突起骨折、左尺骨骨折、右大腿骨骨幹部骨折、左足関節脱臼骨折、右下腿部裂創、右第1肋骨骨折、右肘関節(尺骨)脱臼ということで、とても早期に回復できる状況になく、ジャパンカップダートでのエスポワールシチーの騎乗は不可能になりました。

 彼とエスポで中央のGⅠを勝たないと意味がない位に思っていましたから、今回の離脱は非常に残念です。また佐藤哲三騎手自身も16年続いたJRAでの連続重賞勝ちの記録が事実上今年で途切れたことになりますし、いろんな意味で大変残念です。とにかく騎手としてまた戻って来て欲しいですね。年齢が年齢だけに心配になります。

 ということで、本年フェブラリーと以来の武豊騎手とのコンビになりました。佐藤哲三騎手が乗れないとなると、彼か松岡正海騎手か外国人騎手かということになるのでしょうが、おそらく、武豊陣営からの売り込みがあったのではと推測します。

 過程はなんであれ、やはり彼が一番の適任なんでしょうね。 確かに、一時ほど追いに迫力はないものの、先々週のハルシュタットでも相変わらずスタートは上手いですし、折り合い抜群で、直線を向くまではいい感じで走ってました。勝ち負けはわかりませんが、口取りの権利を獲って夢を見たいですね。やはり日本の至宝・武豊騎手と口取りに収まるということは1つの夢ですし、それがGⅠなら格別です。口取りの倍率はこれで相当高くなったでしょうが、私は平安S以来申し込んでいないので、当ててくれてもいいですよね(笑)。


 これだけならローマンレジェンド有利かと思われますが、その鞍上・岩田康誠騎手が11月25日のジャパンカップで他馬を妨害したとして2日間の騎乗停止に。ジャパンカップダートでのローマンレジェンドの騎乗はできなくなりました。エスポ陣営としては喜ぶべきことではないのでしょうが、状態五分になった気がします。

●11月25日現在の特別登録状況(12月2日 阪神11R ジャパンカップダート GⅠ)

特別登録表 12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際 定量 

第1回登録完了馬 全20頭 フルゲート 16頭  
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
アイファーソング 川須栄彦 57.0 11/17 花園16下 京都ダ1800 11
イジゲン ムーア 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
エスポワールシチー 武豊 57.0 10/08 南部GⅠ 盛岡ダ1600
グレープブランデー ルメール 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
シビルウォー 内田博幸 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ストローハット 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ソリタリーキング 浜中俊 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ダノンカモン 池添謙一 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 15
トゥザグローリー ウイリアムズ 57.0 10/28 天皇GⅠ 東京芝2000 18 11 12 10
トランセンド 藤田伸二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 13
トリップ 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 16
ナイスミーチュー 福永祐一 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ナムラタイタン 熊沢重文 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ニホンピロアワーズ 酒井学 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ハタノヴァンクール 四位洋文 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800 10
ホッコータルマエ 幸英明 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ボレアス 57.0 11/11 アンOP 京都芝2000 13 15
ミラクルレジェンド 川田将雅 55.0 11/05 JBレ 川崎ダ1600
ローマンレジェンド Mデムーロ 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ワンダーアキュート 和田竜二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 10

 2週前の特別登録時と異なり、アイファーソングが回避。鞍上がエスポワールシチーは佐藤哲三騎手の負傷により武豊騎手に、ローマンレジェンドは岩田康誠騎手の騎乗停止でミルコ・デムーロ騎手に、未定だったグレープブランデーにルメール騎手、日本で騎乗しなくなったスミヨンに変わりダノンカモンが池添謙一騎手に、ナイスミーチューは小牧太騎手から福永祐一騎手に、未定だったミラクルレジェンドは川田将雅騎手に、ボレアスは除外濃厚により川田将雅騎手から騎手未定に変更になりました。

●一週前の専門誌の情報

競馬ブック

データカプセル

阪神1800mに舞台を移した08年以降の日本調教馬を主に振り返ると……。
○実績面の条件は
ボーダーは重賞2勝2着2回。2、3着馬に関しても、8頭中6頭は重賞2勝か、4連対のいずれかをクリア。
○関東馬劣勢
関東馬は出走頭数が少ないこともあるが、9頭出走し、6着が最高。
○年齢別成績は
東京開催時も含めた過去10年を見ると、3~6歳まで大差はないが、7歳以上はハッキリと劣勢。牝馬は8頭出走して昨年の4着が最高。
○ステップ別成績は
東京開催時も含めた過去12回すべてを見ると、勝ち馬11頭中10頭が前走1~3着。2、3着馬は23頭中22頭が前走1~5着。
JBCクラシック組は、買うならJBCクラシック1~3着馬だが、人気を思えば頼りない成績。
【結論】
◎ニホンピロアワーズ
▲トゥザグローリー


アラカルト

同一JRA・GⅠ3連覇なるか
 トランセンドがジャパンCダート3連覇に挑む。同馬は今年3戦して勝ち星がないが、JRAのダートGⅠ競走で歴代最多の4勝を挙げておりJCダートでは2010年、2011年と優勝。今年は2009年の優勝馬エスポワールシチーに加え、6連勝中のローマンレジェンドやイジゲン&ハタノヴァンクールといった3歳勢など、新興勢力との対戦が注目を集めそうだが、トランセンドは、グレード制導入以降初となる同一JRA・GⅠ3連覇の偉業を達成することができるかどうか。
連続して逃げた馬が優勝
 トランセンドは積極的な先行策でJRAダート重賞最多となる6勝をマーク。JCダートでも2年連続“逃げ切りV”を飾った。今年は2009年JCダートで逃げ切ったエスポワールシチーや先行策を得意とするアイファーソングなどの登録があるが、トランセンドは3連覇に向け、どんな戦法を繰り出すか。なお、阪神・ダート1800mの騎手別成績(コースが改修された2006年12月以降)は以下の通り。
■阪神ダート1800m戦の騎手別成績(コースが改修された2006年12月以降)
順位 騎手名  成績  勝率  連対率
1位 岩田康誠 (51.43.40.190) 0.157  0.290
2位 川田将雅 (46.22.31.192) 0.158  0.234
3位 武  豊 (31.35.25.122) 0.146  0.310
4位 和田竜二 (30.27.25.274) 0.084  0.160
5位 小牧 太 (29.30.32.214) 0.095  0.193
ダート実績No.1のエスポワールシチー
 2009年の優勝馬エスポワールシチーが3年ぶりのJCダート制覇を目指す。同馬は前走の南部杯(盛岡)を制し、“統一ダートGⅠ”勝ち鞍を「7」、ダート重賞勝利数を「10」とした。今回、JCダートを勝てば“統一ダートGⅠ”勝利数でヴァーミリアン(9勝)に次ぐ単独2位の8勝目となるが、エスポワールシチーは3年ぶりに同じ舞台で勝利を飾ることができるかどうか。
GⅠ初挑戦のローマンレジェンド
 6連勝中のローマンレジェンドが、GⅠ初挑戦→初Vを狙う。同馬はダート路線に転向後は9戦8勝、2着1回と連対率100%の成績を残しており、昨年12月25日の赤穂特別から6連勝を記録している。ローマンレジェンドは、2走前のエルムSではGⅠ馬エスポワールシチー(2着)を、前走のみやこSではダート無敗のハタノヴァンクール(10着)を破り優勝したが、7連勝で一気にダートの頂点を極めることができるかどうか。なお、JCダートでは2006年アロンダイト、2010年トランセンドが、GⅠ初挑戦→初Vを決めている。
 ちなみに、ローマンレジェンドが勝てば、JRAダート競走での7連勝は、タマモストロング(1999年11月21日・京都・3歳以上500万下~2000年3月25日・中山・マーチS)以来となる。
■GⅠ初挑戦馬のJCダート連対
年度 着順 馬名(前走)
2000年2着 サンフォードシチー(武蔵野S1着)
2006年1着 アロンダイト(銀蹄S1着)
2010年1着 トランセンド(みやこS1着)
ソリタリーキングは兄弟制覇に挑戦
 昨年8着のソリタリーキングには兄弟制覇の記録がかかる。同馬の兄はサカラート、ヴァーミリアン、キングスエンブレムとダート重賞で勝ち鞍を挙げており、なかでもヴァーミリアンは、2007年にJCダートを制すなど“統一ダートGⅠ”9勝、ダート重賞12勝の実績を残した。ソリタリーキングも今年の東海Sを制し4兄弟重賞制覇を達成したが、偉大な兄に続き勝利を飾ることができるかどうか。なお、パーソナルレジェンド産駒のミラクルレジェンドとローマンレジェンドが揃って出走すれば、GⅠでの姉弟対決となる。
■JRA同一ダート重賞きょうだい制覇
札幌3歳S 母ミヨノニシキ(1987年兄ミヨノスピード・1988年弟ミヨノゴールド)
東海S 母ワンダーヘリテージ(2009年兄ワンダースピード・2011年弟ワンダーアキュート)
東海S 母スカーレットレディ(2005年兄サカラート・2012年弟ソリタリーキング)
ハイレベル3歳勢は5頭登録
 今年の3歳勢は、ダート路線で古馬と互角の戦いを繰り広げており、前哨戦の武蔵野Sではワンツーを決めた。今回のJCダートにも武蔵野S勝ち馬イジゲン、JDダービー(大井)優勝馬ハタノヴァンクール、レパードSの覇者ホッコータルマエなど5頭の登録があるが、歴戦の古馬を破り勝利を飾ることができるかどうか。Vなら3歳馬のJCダート制覇は、2006年アロンダイト以来6年ぶり4頭目に。
ダート初挑戦のトゥザグローリー
 トゥザグローリーは、今回がダート競走初挑戦。同馬は芝のレースで通算22戦8勝(重賞5勝)の成績を挙げており、今年も日経新春杯と鳴尾記念を制した。GⅠでは10戦して有馬記念の3着(2010・11年)が最高成績だが、新境地でGⅠ初制覇を成し遂げることができるかどうか。なお、JCダートではクロフネ、イーグルカフェ、ヴァーミリアンなど芝で重賞を制した馬の活躍が目立つ。ちなみに、トゥザグローリーの母であるトゥザヴィクトリーは、2001年のエリザベス女王杯を制しているが、ダート戦でもフェブラリーS3着、ドバイワールドC(UAE)2着の成績を残している。
好調のキングカメハメハ産駒
 今年のJRAダート競走での種牡馬成績を見ると、重賞4勝を挙げたキングカメハメハが昨年に続きトップに立っている。同産駒は、今年のJCダートにも、東海S勝ち馬のソリタリーキングやシリウスS優勝馬ナイスミーチューなど5頭の登録があるが、産駒初のJRAダートGⅠ制覇を飾ることができるかどうか。ちなみに、JRA総合1位のディープインパクトは、ダート部門では23位(獲得賞金260,680,000円)。逆にJRAダート部門3位のゴールドアリュールは、総合では14位(獲得賞金1,173,549,000円)にランクしている。なお、“ディープ産駒”はボレアス、ゴールドアリュール産駒はエスポワールシチーが登録。
7連勝中、500K以上の大型馬に注
 歴代JCダート優勝馬の馬体重をみると、過去12回中500K以上の大型馬が9勝しており、2005年から7連勝。今回の登録馬で前走の体重がもっとも重かった馬は、536K(みやこS2着)のニホンピロアワーズ。
安定している1番人気馬
 ジャパンCダートでは、1番人気馬が6勝、2着3回と安定した成績を残しており、連対率.750はGⅠ競走のなかで2番目に高い数字。今年のダート戦線は“統一ダート重賞”19勝のスマートファルコンが引退、帝王賞(大井)勝ち馬ゴルトブリッツが放牧先で死亡するなど混戦模様だが、1番人気に支持されるのはどの馬か。なお、混戦のなかエスポワールシチーが、かしわ記念(船橋)、南部杯(盛岡)と“統一ダートGⅠ”競走で2勝しており、今回Vなら2009年以来2回目の年間GⅠ・V3に。
 また、この秋のGⅠレースはスプリンターズSからマイルCSまで1番人気馬がすべて連対しており、6月の宝塚記念を含めると7連続連対を記録。これはグレード制導入以降、1985年天皇賞(秋)~86年桜花賞の間の9連続に次ぐ1番人気馬の連続連対記録。
(*データは11月18日現在)
一週間前厩舎レポ
イジゲン
「使った後の硬さはいつも並みで、レースの翌週の金曜日から普通キャンターを再開。ゲート練習では実戦のような素振りはまったく見せず、入り、駐立ともに問題はありません。今回はこれまでとは相手も違うので、しっかりとしたレースをしなければ、力試しにもなりません。きちんと練習をして臨みます」と橋本助手。
エスポワールシチー
「前走は次走につながるいい勝ち方をしてくれました。レース後は自厩舎でジックリと調整。先週末からの雨で、坂路の状態があまり良くないようなので、21日はCWコースで。テンから行く気になっていたから、ラストは時計がかかってしまいましたが、全体的な時計は速いし、最後まで一杯に追ってもらいましたからね。来週は息を整えるくらいの調整で十分ですし、いい追い切りができたと思います。いい頃に戻ってきていますし、とにかく状態がいいですからね。この状態を維持していきたいですね」と森崎助手。
グレープブランデー
「使いつつ、段々といい頃に戻ってきましたし、58Kでも前走は見せ場を作れました。競馬の上手な馬でコースは問いませんし、自在性もあります。今度は斤量差のない戦いになるし、更にやれていいですよ」と安田隆師。
シビルウォー
「JBCクラシックは大きな期待をしていたが、滑りやすい馬場で出遅れ、ダッシュがつかなかった。それでも3角手前からマクッて2着確保だから力を見せた。今度は中央のGⅠでメンバーは揃ったが、この馬も大分力をつけて安定味が出てきたからね。1800mも守備範囲」と石井助手。
ソリタリーキング
「船橋の日テレ盃の時とは違って、JBCクラシックでは勝負どころでスッと反応できなかった。川崎の馬場状態が合わなかったんじゃないかな。阪神の1800mで改めて期待」と石坂師。
ダノンカモン
「武蔵野Sは、思ったより後ろの位置になった分、3着だったが、大型でも久々で格好をつけてくれたし、最後まで集中して走れた点も収穫だった。当然、上積みを見込んでいるが、コーナーリングが上手ではないから、コーナー4つを回る阪神の1800mがどう出るかだね」と池江寿師。
トゥザグローリー
「22日の追い切りはほぼ馬なりに近かったし、ここへきて冷え込むに連れ、状態も上がってきている。以前からダートに使ってみたいと思っていたが、母トゥザヴィクトリーもそうだったように、東京のマイル戦なら競馬もしやすいが、コーナー4つの1800mで、いきなりのGIだから条件的には厳しいだろうね。どこまでやれるかな」と池江寿師。
トランセンド
「もともと休み明けはピリッとしないように、久々で稽古だけでは仕上がり切っていませんでした。そんな中でも久々にこの馬の力を見せることができましたし、今度は息の保ちが違いますからね。連覇の舞台で前走以上のパフォーマンスを見せられるのでは」と安田隆師。
ナイスミーチュー
「みやこSは速い流れに対応できませんでした。現状では、一線級相手では厳しいのかも知れません。阪神での成績がいいので、その点に期待しますが、勝ち負けまでとなると」と橋口師。
ナムラタイタン
「前走はゴチャついた馬群の後方で動きにくかった。途中からペースが落ち着いて、余計に厳しくなったよう。それで勝ち馬からコンマ5秒差。よく走ったと捉えているんだ。最近はズブくなったから、この距離はむしろ良さそう。それに歩様、気合乗りなどを見ていたら、体調面の上積みは確実。相手は揃ったけど、好レースを」と大橋師。
ニホンピロアワーズ
「前走は勝ち馬と決め手の差を感じたけど、この馬自身、先頭へ立つのが気持ち早かった。その前の白山大賞典と比べて、当時は11K増。太かったというより、充実期を迎えたと感じている。GⅠの勝ち馬や勢いのある3歳馬と、相手は揃ったけど、そうヒケは取らないはず」と大橋師。
ハタノヴァンクール
「どうしたのかという内容になってしまったし、前走は久々の分だと思いたい。実際、21日に跨ったジョッキーは感触が良くなっていると言っていた。ここまでの経験からコースは問わないし、叩いた今回はしっかり変わって欲しい」と上籠助手。
ホッコータルマエ
「前走は4角で置かれ気味になったのに、直線でまた盛り返してきた。休養明けのレースだったのに、よく踏ん張ってくれたね。使いながら力をつけてきた馬だから、ひと叩きした今回の方が力を出せると思うし、この中間も順調にきている。21日は坂路で併せて遅れたけど、相手は攻め駆けする馬だし、こっちは来週が競馬で、もうひと追いできるから、目一杯じゃなかったからね。まだまだ強くなってくると思うし、このメンバーでどこまでやれるか楽しみ」と西浦師。
ミラクルレジェンド
「2年連続でJBCレディスクラシックを優勝。船橋のクイーン賞にエントリーしていたが、トップハンデ57.5Kを背負うし、先生がオーナーと相談して昨年同様にJCダート出走を決めた次第。1週前追い切りは23日CWコースで単走で息を整える程度にやった。活気がある素軽い動きで好調をキープ。昨年は3番目に速い上がりで6着。ひとつ前のポジションで運べていたら違った結果は出せていたと思う。外目の枠だったし、道中も窮屈になって動きづらかったからね。本来なら立ち回りが上手で、馬と馬の間を割って伸びる根性娘。兄弟でGⅠに出走できるのは何より光栄だし、デキがいいので楽しみ」と田代助手。
ローマンレジェンド
「みやこSは直線向いて前に壁ができたけど、まったく慌てるところなくバラけるのを待ってキッチリ差し切った。ジョッキーが手の内に入れているし、力を信頼している内容だったね。春頃よりトモがしっかりしているので、疲れも早く取れて元気いい。1週前追い切りは21日CWコースで古馬準オープンを1.4秒追いかけて先着。一杯の脚勢ではなかったし、いい併せ馬がやれたと思う。来週は岩田騎手でやる」と田代助手。
ワンダーアキュート
「しっかりとケアしてこれているし、引き続きいい気配を保ってくれている。1週前追い切りでも坂路で和田竜騎手に跨ってもらって調整。来週の追い切りでは更にシャキッとした状態になるだろう。このまま順調にいければ申し分ないね。更にメンバーは強くなるけど、今の充実ぶりなら楽しみだよ」と佐藤正師。
一週間前攻め気配

エスポワールシチー
(21日、栗東CW)道中掛かってラストはバテる。どうも落ち着きがない。しかし、タイムは速いし、これでガス抜きができた。来週はシャープに動くだろう。
グレープブランデー
(22日、栗東坂路)格下相手とはいえ、余裕十分の手応えで同入。柔らかな身のこなしで、なかなかスピード感もあった。馬体も良く、デキは高いレベルで安定。
シビルウォー
(22日、美浦南P)今までは軽くあしらわれていた相手に、余力を残して追走同入。今まで以上に体が動くようになり、調教でも自然と速い時計も出るようになった。毛ヅヤもピカピカで絶好調。
ソリタリーキング
(22日、栗東坂路)ち切られてしまったが、もともと稽古に関しては、まったくといっていいほど動かないタイプ。変わりのないデキとはいえるだろう。
ダノンカモン
(22日、栗東坂路)毛ヅヤの冴えた好馬体。詰まったレース間隔でも疲れはまったく感じられず、なかなか軽快な動きを見せた。元気の良さが目につく。
トゥザグローリー
(22日、栗東CW)渋太さは出ているし、冬場に強い馬で活気も十分。ただ、少し太く見せてコズミが残る。トモが甘く前躯が強いので、ダートは苦にしないだろうが……。
トランセンド
(21日、栗東CW)ブリンカーを外して追う。道中少し掛かったし、やや集中力を欠いている感。馬体はいいし、時計も速いが、迫力は今イチ。
トリップ
(21日、栗東CW)レース間が詰まっており、軽目の調整。コズミは軽いが、やや推進力を欠く。デキはそう上がってはいない。
ナイスミーチュー
(21日、栗東坂路)遅れてしまったが、実戦タイプとあって問題ないだろう。ガッチリとした逞しい馬体が目につくし、毛ヅヤも良好。体調は安定している。
ナムラタイタン
(22日、栗東P)余力を残して好時計をマーク。緩かった馬体が引き締まり、行きっぷりもグンと良くなってきた。上積みは十分。
ニホンピロアワーズ
(22日、栗東CW)いつもほどアゴを上げることもなく、内から叩いてしっかり伸びる。少し太く見せるが、パワーアップもしている。
ハタノヴァンクール
(21日、栗東坂路)こちらの方が先に仕掛ける感じだったが、手応え以上に渋太く伸びて先着。このひと追いでの良化は十分見込めそう。見直せるデキ。
ホッコータルマエ
(21日、栗東坂路)遅れ方に少し不満は残ったが、併せた相手はかなり攻め駆けするので問題ないだろう。叩いて急上昇とはいいづらいが、前回くらいのデキにはある。
ミラクルレジェンド
(23日、栗東CW)雨の中でも水平首で脚捌きに回転力があった。馬体もフックラしており、好調キープ。
ローマンレジェンド
(21日、栗東CW)少しフワフワしたが概ねいつものパフォーマンスはできた。モタれる面もなく大トビで豪快。毛ヅヤもピカピカ。
ワンダーアキュート
(22日、栗東坂路)サーッと流す程度だったが、レース間隔も詰まっているのでこれで十分。淋しいような印象はまったくないし、脚捌きもスムーズ。疲れはない。

有力馬のポイント

1000万特別を勝って以降、目下6連勝のローマンレジェンド。重賞では、それまでのような派手な勝ち方ではないが、エスポワールシチーを捩じ伏せるように下したエルムS、追い出しを待たされながらゴール寸前急追したみやこSと、いずれも着差から受ける印象以上に強かった。距離にもコースにも不安はないし、時計勝負も大歓迎。立ち回りが上手で展開に左右されないのも強みだ。攻め気配も引き続き良好。いざ7連勝へ。

 その新星2頭を迎え撃つ立場の既存勢力。筆頭はワンダーアキュートだろう。昨年のここは発馬で落馬寸前のロスがありながら、ゴール前急追して2着。雪辱にかける思いはひとしおだろう。前走のJBCクラシックは、トランセンドをラスト1ハロン足らずの間に8馬身ち切る圧勝。これが約半年ぶりの実戦なのだから恐れ入る。舞台設定に不安は何もないし、もともとが叩き良化型とあって上積みも大きそう。一歩もヒケを取らない。

 ハイレベルと謳われる3歳世代では、ダートはイジゲンが最右翼。武蔵野Sはスタートで3馬身ほどの出遅れを喫し、勝負どころは馬群の一番外。かなりロスの大きな競馬だったのだが、直線を向くとアッという間に突き抜けてしまった。今年のフェブラリーSの2、4着馬を問題にしなかったのだから強い。距離は1800メートルなら十分守備範囲。右回りで結果も出している。あとは、発馬のロスをどれだけ抑えられるかにかかっている。

 エスポワールシチーは09年のこのレースの覇者。3連勝で臨んだ当時ほどの勢いにはないが、今年はかしわ記念で2年ぶりにJpnⅠを制すと、南部杯も4馬身差の圧勝。往時の輝きを取り戻した感がある。エルムSでローマンレジェンドに敗れてはいるが、当時はローマン56キロに対し59キロでのクビ差。同斤量、それも57キロなら逆転の計算は十分に立つ。前走後はここを目標に順調そのもの。勝ち負けに。

 シビルウォーはJBCクラシックの2着馬。早目にマクッた分、結果的に勝ち馬のいい目標になってしまったが、トランセンドには3馬身。追い込み一辺倒だった以前と違って、今は前でも運べるし、前走のようにマクる競馬もできる。自在性が出て、安定味を増した。10勝中7勝が2000メートル以上。微妙に距離不足かも知れないが、今なら大崩れもなさそうだ。

 JBCクラシックで、そのワンダーの後塵を拝したトランセンド。初めてブリンカーを着用して臨んだが、1000メートル60秒3の速いペースを追いかけた上に早目に後続にこられる展開。それでも1ハロン過ぎまで先頭を守った。3着なら負けて尚強しといえるだろう。7カ月ぶりを叩いて、昨年、一昨年と制した舞台へ。攻めも強化し、順当に上積みを見込める。条件に不足なし。3連覇も十分考えられる。

 スッと好位を取れて終いまで渋太い堅実駆けタイプのニホンピロアワーズ、JBCクラシックは展開不向きの感があったソリタリーキングの巻き返しにも注目。

 ハタノヴァンクールは前走、ダート6戦目にして初黒星。休み明けで初めての古馬相手、経験したことのない速い流れと、若駒には厳しい条件が重なってしまったよう。叩き2走目、1キロ減の斤量、あらゆる面で慣れも見込める。更に相手が揃うと前崩れは期待しづらいが、今度は内容が違うだろう。

 スッと好位を取れて終いまで渋太い堅実駆けタイプのニホンピロアワーズ、JBCクラシックは展開不向きの感があったソリタリーキングの巻き返しにも注目。

デイリー馬三郎

3年連続で外国馬の参戦はないものの、国内ダートの強豪が集結した第13回ジャパンCダート。実績馬VS新興勢力の図式で、馬券も含め興味深い一戦だ。

 中心は破竹の6連勝で一躍ダート界の主役に躍り出たローマンレジェンド。3キロ差あったとはいえ、エルムSでエスポワールシチーとのマッチレースを制し、前走・みやこSでは直線で前が壁になる厳しい展開を差し切った。有力馬を見ながら運べる自在性があり、7連勝で世代交代を果たす。

 王者トランセンドはJBCクラシックは3着に敗れたが、7カ月半ぶり&不向きな地方ダートだけに悲観する必要はない。年齢的なズブさもあって今年は未勝利だが、スムーズに先手を奪えればあっさりがあっても驚けない。史上初の同一JRA・GⅠ3連覇へ。

 エスポワールシチーはエルムSでローマンレジェンドを追い詰め、続く南部杯を圧勝。衰えはほとんどなく、力を高いレベルでキープしている。JBCには目もくれず、ここに標準を合わせてきた点も好感。3年ぶりVを虎視眈々と狙う。

 JBCクラシックで悲願のGⅠVを飾ったワンダーアキュート。阪神ダートは(5102)で、昨年はエスポワールシチーに先着して2着。今の勢いなら怖い。

 武蔵野Sを出遅れから強引に押し切ったイジゲン、ジャパンダートダービー馬ハタノヴァンクールの3歳勢2騎も可能性は無限大。ダート初参戦になるトゥザグローリーも母がドバイWC2着馬だけに注意は必要だ。

これ以降は2012年11月28日に作成

●追い切り情報(11月28日更新)

前走前 10月4日 栗東坂路 良馬場 一杯に追う
1回
助手
4F 53.1
3F 38.5
2F 25.5
1F 13.2



10月23日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 61.9
3F 45.1
2F 29.8
1F 15.1


11月6日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 59.1
3F 43.5
2F 28.7
1F 14.4


11月7日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 55.6
3F 39.6
2F 24.7
1F 12.3


11月11日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 63.0
3F 45.4
2F 29.1
1F 14.7


11月14日 栗東坂路 重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 53.9
3F 38.4
2F 25.1
1F 13.0


11月21日 栗東CW 稍重馬場 一杯追いバテる

佐藤哲三
7F 92.7
6F 78.4
5F 65.6
4F 53.0
3F 40.7
1F 14.8[8]


11月25日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 62.6
3F 45.2
2F 29.7
1F 14.7


11月28日 栗東CW 重馬場 強めに追う

武豊
6F 83.9
5F 67.5
4F 52.2
3F 38.2
1F 12.2[8]


11月30日 栗東坂路 稍重馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 62.4
3F 45.6
2F 29.5
1F 14.7


12月1日 栗東坂路 良馬場 馬なり余力
1回
助手
4F 65.0
3F 46.9
2F 30.2
1F 14.7
 10月23日、次走ジャパンカップダートに向け、まだ1か月以上ありますが、15-15で追い切られました。

 11月6日、「以前、熱感があった部位に違和感があった」(11月5日 クラブ公式HP)為、先週は追い切りを控えられましたが、6日から時計を計時し始めました。まだレースまで1か月ほどありますし大丈夫ですね。

 11月7日、強めに追い切られました。これから追い切りのペースが上げられていくことでしょう。

 11月11日、15-15で追い切られました。順調に追い切りを重ねています。レース本番まで順調に行って欲しいですね。

 11月14日、順調に追い切られています。来週は佐藤哲三騎手で目一杯に追い切って、それで足りないようなら、レース週も追い切るようです。
 ただ、いままでは2週前には目一杯追われていましたから、やはり年齢的に以前ほどビシビシはやれないようですね。脚元も少しずつ弱くなって来ましたし、疲労も取れにくいですしネ。

 11月21日、ありゃりゃ・・・。テンから飛ばしたとはいえ、終いの脚の上がり方がエスポらしくないですねぇ。日曜日にも時計を出していませんし、こりゃ、調子は悪そうですねぇ。せっかくの大舞台なのに順調さを欠いていると判断します。困った・・・。

 11月25日、15-15で追い切られています。全盛期に比べて軽いですよねぇ。

 11月28日、ジョッキー騎乗にしては緩い追い切りのような気がしますが、終いまでしっかりと伸びてなかなか良い状態のようです。競馬ブックでも追い切りの短評は”スピード感十分”と非常に高評価です。全盛期ほどの評価はできませんが、私ほっさんの追い切り評価は「B+」です。勝ち負けまでとは言えませんが、無様な競馬はしないと思います。もはや馬よりも鞍上が心配だったりします。

日刊スポーツ

 安達師は「動きはとても良かった。前走後は疲れもあったが、じっくり抜いていい状態になっている」と出来に太鼓判。昨年は3着に敗れたが「去年と比べても今年の方がいい。3年前に勝っている条件だし、楽しみにしている」と手応えを示していた。

●気になる出馬想定表(12月2日 阪神11R)

出馬想定表 12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際 定量 フルゲート 16頭 想定数18頭 
馬名 予定騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
イジゲン ムーア 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
エスポワールシチー 武豊 57.0 10/08 南部GⅠ 盛岡ダ1600
グレープブランデー ルメール 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
シビルウォー 内田博幸 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ストローハット 福永祐一 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ソリタリーキング 浜中俊 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ダノンカモン 池添謙一 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 15
トゥザグローリー ウイリアムズ 57.0 10/28 天皇GⅠ 東京芝2000 18 11 12 10
トランセンド 藤田伸二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 13
トリップ 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 16
ナイスミーチュー 福永祐一 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ナムラタイタン 熊沢重文 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ニホンピロアワーズ 酒井学 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ハタノヴァンクール 四位洋文 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800 10
ホッコータルマエ 幸英明 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ミラクルレジェンド 川田将雅 55.0 11/05 JBレ 川崎ダ1600
ローマンレジェンド Mデムーロ 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ワンダーアキュート 和田竜二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 10

これ以降は2012年11月29日に作成

●出馬確定表

出馬確定表 12月2日 阪神11R 第13回 ジャパンカップダート GⅠ ダート1800m 国際 定量 フルゲート 16頭
馬名 騎手 斤量 前走 前走着順 前走人気 過去着順
イジゲン ムーア 56.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
エスポワールシチー 武豊 57.0 10/08 南部GⅠ 盛岡ダ1600
グレープブランデー ルメール 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
シビルウォー 内田博幸 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ソリタリーキング 浜中俊 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100
ダノンカモン 池添謙一 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600 15
トゥザグローリー ウイリアムズ 57.0 10/28 天皇GⅠ 東京芝2000 18 11 12 10
トランセンド 藤田伸二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 13
ナイスミーチュー 福永祐一 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ナムラタイタン 熊沢重文 57.0 11/11 武蔵GⅢ 東京ダ1600
ニホンピロアワーズ 酒井学 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ハタノヴァンクール 四位洋文 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800 10
ホッコータルマエ 幸英明 56.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ミラクルレジェンド 川田将雅 55.0 11/05 JBレ 川崎ダ1600
ローマンレジェンド Mデムーロ 57.0 11/04 みやGⅢ 京都ダ1800
ワンダーアキュート 和田竜二 57.0 11/05 JBクGⅠ 川崎ダ2100 10

表中 騎手の太字は乗り替わり

●阪神ダート1800mコース解説

スタート地点は正面スタンド前直線の右。スタートしてすぐに上り坂がある。1コーナーまでの距離は303m。京都のダ1800mよりも若干長めだが、1コーナーまでの主導権争いは厳しく、外からも先手を奪いたい馬が殺到。前へ行きたいのに内枠で出脚が悪いと、詰まって位置取りが悪くなる。ちょうど京都ダ1800mとは対照的に1枠の成績が最も悪く、大外枠が最も良い。少頭数だとあまり関係ないが、多頭数になると逃げ、先行馬は中~外枠の方が競馬がしやすい。脚質は基本的には先行有利だが、クラスによってまちまち。条件クラスでは前へ行った馬がそのまま押し切る競馬。
 特にブライアンズタイム産駒の逃げ、先行馬が非常に強いのが特徴
 オープンクラスは、展開次第だが差し馬が来ることが多い。派手な大外一気、マクリが決まることも。しかし、京都ダ1800mより癖がなく、各馬力を発揮しやすい条件。

有利な枠順 多頭数は外
有利な脚質 先行
ポイント ブライアンズタイム産駒、中距離実績
種牡馬ベスト ブライアンズタイム、サンデーサイレンスの2頭が断トツ
連対騎手ベスト 武豊、岩田康誠、四位洋文、藤田伸二、安藤勝己
推定勝ちタイム 良馬場 稍重馬場 重馬場 不良馬場
2歳新馬 1分56秒4 1分55秒6 1分56秒3
2歳未勝利 1分56秒6 1分54秒7 1分56秒2 1分53秒2
2歳500万 1分55秒8 1分53秒5
3歳新馬 1分56秒6 1分56秒1 1分55秒7 1分54秒2
3歳未出走 1分56秒2 1分56秒4 1分56秒1 1分54秒1
3歳未勝利 1分55秒6 1分55秒2 1分54秒4 1分54秒2
3歳500万 1分54秒1 1分53秒8 1分52秒7 1分52秒6
古馬500万 1分54秒0 1分53秒3 1分52秒9 1分51秒9
古馬1000万 1分53秒1 1分52秒4 1分51秒9 1分51秒4
古馬1600万 1分52秒2 1分51秒1 1分50秒7 1分49秒8
古馬オープン 1分51秒6 1分50秒5 1分49秒9 1分51秒5

●騎手は武豊騎手 ほっさん評価「S」

 今回のエスポワールシチーの鞍上は春のフェブラリーSの時と同様、落馬負傷の佐藤哲三騎手に替わって日本の至宝・武豊騎手です。

 前回のエスポワールシチーでのフェブラリーSではトランセンドと一緒に抜け出す作戦も、その断然1番人気のトランセンドのまさかの失速により出るところがなくなり消化不良の5着でした。狙いは悪くないものの、やはり結果を要求されるのがこの世界。エスポで5着というのは日本ダート界では最低の記録です。エスポは海外では10着と着外でしたが、国内のダートでは掲示板を外したことはありません。それが5着ですから、納得できるわけがありません。

 また、最近の武豊騎手の騎乗も不満が多いですね。往年の力はないように感じます。土曜日(12月1日)も1番人気で4、5、6着とすべてぶっとび賞ですし、2番人気で10着、金鯱賞でも5番人気で12着とシンガリ負けを喰らっています。本当のに頼りない頼れない騎手になっちゃいました。

 それでも日本競馬史に残るビッグネームですし、彼と口取りに収まりたいというのは長年の夢ですから、今回も期待を持って応援します。


 ほっさん愛馬ではエスポ以外にも2勝を挙げていただいており、絶妙なペース配分で勝ったディヴァインシチーや、ペースを読み切って早目に動いたダブルダンスシチーなど、素晴らしい騎乗をしていただきました。

 しかし、ステップシチーでは勝負どころで包まれて出る所がなく、脚を余して大敗。人間なので仕方ないですが、歯がゆい思いをしたことがあります。

 また、私は以前、武豊騎乗というだけで馬券の対象から外していました。これは過剰な人気から馬の能力を超えて支持が集まるもので、穴党の私としては安すぎるオッズの馬券は興味がなく(そんなことを言っているので損をすることが多いのですが)、外しては来られ、また、たまにこれは仕方ないなと珍しく武豊騎乗馬を購入するとぶっ飛びとそんな印象です。あくまでも個人の勝手な印象ですが(笑)。


 2012年12月1日終了現在、中央通算3495勝、勝率20.0パーセント、連対率34.4パーセント、GⅠ66勝、重賞276勝と圧倒的な数字で他の追随を許さない(詳細は以下に記載)。しかし、毎日杯で大きな怪我を負ってからのここ数年はピーク時ほどの成績はなく、昨年(2011年)は64勝、勝率10.1パーセント、連対率21.1パーセントと全盛期の半分程度。ついに中央でのGⅠ勝ちもなかった。本年(2012年)は54勝、勝率9.8パーセント、連対率20.6パーセント。ようやく11月にマイルCS GⅠを勝った。



 武 豊(たけ ゆたか)は1969年3月15日生まれの43歳。日本中央競馬会(JRA)栗東トレーニングセンター所属の26年目の騎手である。騎手免許は平地のみ。デビュー当時は武田作十郎厩舎所属だったが、92年に武田厩舎が解散してフリーになり現在に至る。身長170.5cm、体重51kg。血液型O型。京都府京都市伏見区淀(本人公式サイトでは滋賀県)出身。妻は元タレントの佐野量子。

 父・武邦彦は元騎手・元調教師で、騎手時代に”ターフの魔術師”の異名をとった。弟の幸四郎は現役の騎手。武宏平調教師はいとこ、武英智騎手ははとこにあたる。


 1987年の騎手デビュー以降、JRAにおいて数々の記録を更新し「天才」と呼ばれることも多い。2010年4月12日に日本騎手クラブの東西役員総会で柴田善臣の後任として会長に選出され、同年9月16日に就任した。


 1987年、栗東・武田作十郎厩舎所属でデビュー。主な同期は蛯名正義騎手。初騎乗は3月1日1回阪神2日目第4競走アグネスディクター(2着)。初勝利は、3月7日1回阪神3日第2競走のダイナビショップ。加賀武見の持っていた新人記録の58勝を上回る69勝を挙げた(この記録は2008に三浦皇成によって21年ぶりに更新された)。
 中京記念でマチカネイシンに騎乗し、重賞初騎乗(5着)。京都大賞典でトウカイローマンに騎乗し、重賞初勝利。菊花賞・ジャパンカップに新人として初めて騎乗。

 1988年、4月16日に史上最年少(19歳1ヶ月)でJRA通算100勝達成。(史上最速100勝記録は2009年2月7日に三浦皇成が更新)。
 菊花賞でスーパークリークに騎乗し初GⅠ勝利にして史上最年少(19歳8ヶ月)でクラシック制覇。

 1989年、3月4日に史上最速・最年少(19歳11ヶ月)でJRA通算200勝達成。11月25日に史上最速・最年少(20歳8ヶ月)でJRA通算300勝達成。この年は133勝を挙げ、自身初の全国リーディングジョッキーとなる。

 1991年、7月21日に史上最速・最年少(22歳4ヶ月)でJRA通算500勝達成。
 アメリカ・サラトガ競馬場のセネカハンディキャップ(GⅢ)でEl Senor(エルセニョール)に騎乗し、初めての海外グレード競走(およびグループ競走)制覇。
 天皇賞・秋でメジロマックイーンに騎乗し1位入線するも、進路妨害で18着に降着となる。GⅠ競走での1位入線馬に対する降着処分は史上初めて。

 1992年、武田作十郎調教師の定年による厩舎解散に伴い、フリー転向。天皇賞(春)でメジロマックイーンに騎乗し、史上初の同一競走4連覇を達成。

 1993年、桜花賞(ベガ)・皐月賞(ナリタタイシン)・優駿牝馬(ベガ)と春のクラシックを3連覇。

 1994年、フランス・ロンシャン競馬場のムーラン・ド・ロンシャン賞でスキーパラダイスに騎乗し、JRA所属の騎手としては初めての海外GⅠ勝利。

 1995年、7月23日に史上最速・最年少(26歳4ヶ月)でJRA通算1000勝を武邦彦管理馬のエールノコイビトで達成。

 1996年、2月10日の京都競馬第8競走で勝利し、1999年9月5日に途絶えるまでの騎乗機会連続週勝利の開始。

 1997年、北九州記念でダンディコマンドで優勝し、史上最速・最年少(28歳4ヶ月)でJRA重賞通算100勝達成。函館3歳ステークスでアグネスワールドに騎乗、史上2人目の中央競馬全10場重賞制覇達成。
 この年は初めて騎手主要3タイトルを総なめにし、史上2人目の騎手大賞を受賞。

 1998年、6月7日、東京優駿(日本ダービー)でスペシャルウィークに騎乗。東京優駿を初制覇を果たすとともに保田隆芳以来30年ぶり史上2人目となる八大競走完全制覇達成。
 8月9日、フランス・ドーヴィル競馬場のモーリス・ド・ゲスト賞でシーキングザパールに騎乗し、日本調教馬初の海外GⅠ制覇に導く。

 1999年、6月6日、東京優駿(日本ダービー)でアドマイヤベガに騎乗、史上初となる日本ダービー連覇達成。8月22日の札幌競馬第1競走で勝利し、1996年2月10日から続く騎乗機会169週連続勝利達成。

 2000年、7月13日、ジュライカップをアグネスワールドで勝利し、近代競馬の発祥地英国での初GⅠ制覇。

 2001年、フランスを拠点とし長期海外遠征を敢行。そのため、前年まで9年連続、また2002年以降も保持し続けているリーディングジョッキーの座を蛯名正義に譲ることとなる。

 2002年、5月26日、東京優駿(日本ダービー)でタニノギムレットに騎乗、史上初となる東京優駿(日本ダービー)3勝目。9月21日、に史上最速・最年少(33歳6ヶ月)でのJRA通算2000勝達成。12月7日、阪神競馬場にてJRA新記録、世界タイ・レコードとなる1日8勝を記録。

 2003年、JRA史上初の年間200勝達成(最終的には204勝)。年間通じて、JRA・地方における全GⅠに騎乗。騎手としては初めて東京競馬記者クラブ賞・関西競馬記者クラブ賞を同時受賞。

 2004年、11月14日にエリザベス女王杯でアドマイヤグルーヴに騎乗、史上初となる同競走4連覇達成。12月8日、海外通算100勝を達成。12月12日、中央競馬史上初の2年連続で年間200勝を達成、前年に自ら記録した204勝の年間最多勝利記録を更新する211勝。

 2005年、2月26日、アーリントンカップにビッグプラネットで優勝し、中央競馬史上初の重賞競走通算200勝を達成。5月29日、東京優駿(日本ダービー)でディープインパクトに騎乗し東京優駿(日本ダービー)4勝目。また同競走により、年間100勝最速記録を更新。9月4日、小倉2歳ステークスをアルーリングボイスで優勝。史上初の同一年小倉開催平地重賞完全制覇達成。9月24日、、1日の騎乗機会6連勝のJRA新記録を達成。
 10月23日、ディープインパクトの三冠(史上2頭目の無敗三冠)達成で自身も初の同一馬による三冠ジョッキー。11月26日、ジャパンカップダートにカネヒキリに騎乗して優勝、JRAのGⅠ年間6勝の新記録達成(地方交流統一GⅠを含めると年間10勝の日本記録を達成)。12月18日、阪神牝馬ステークスにアドマイヤグルーヴに騎乗して優勝し、年間重賞勝利23勝とし、自らの記録を上回る新記録を樹立。年間勝利数を212とし、前年の自らの最多勝記録を更新。

 2006年、ディープインパクトに騎乗して第85回凱旋門賞に出走。1番人気で3位入線するも、のちに馬は失格処分となる。

 2007年、7月21日、JRA歴代最多勝記録2944勝(これまでの記録は岡部幸雄の2943勝)を更新、小倉ターフ賞も初受賞した。11月3日、京都競馬第1競走で史上初となるJRA通算3000勝を達成(38歳7ヶ月)。3年ぶり8度目となる関西競馬記者クラブ賞を受賞。

 2008年、5月10日、京都競馬場における通算1000勝を達成。11月2日、天皇賞(秋)競走をウオッカで勝利し天皇賞通算11勝目を挙げ、それまでの最多記録保持者であった保田隆芳を抜いた。
 11月3日、JBCクラシックをヴァーミリアンで勝利し、前日の天皇賞(秋)の勝利とあわせ日本人騎手では初となる2日連続GⅠ・JpnⅠ勝利という快挙を達成。

 2009年、6月27日、阪神競馬場における通算1000勝を達成。近年の地方トップ騎手の中央移籍等による騎手リーディング競争激化から、長期海外遠征していた2001年を除きおよそ16年間保持し続けてきた最多勝利騎手の座を内田博幸に明け渡す。

 2010年、3月27日、毎日杯でザタイキに騎乗し落馬。重傷を負い、4ヶ月間の休養。このため、18年ぶりに東京優駿に騎乗できなかった。11月3日、JBCクラシックでスマートファルコンに騎乗し勝利。騎手として同競走4年連続優勝(前3年はヴァーミリアンで3連覇)。11月28日、ローズキングダムでジャパンカップを制し、デビュー2年目から続く23年連続JRA・GⅠ制覇を達成した。
 この年は怪我による長期離脱が響いて、騎手主要3タイトルを全て受賞できず、長期海外遠征の2001年を除きおよそ17年連続クリアしてきた中央成績100勝達成も出来ず、69勝にとどまった。


 デビュー当時「武邦彦の息子」と言われたことに発奮し「武邦彦の息子ではなく、父のことを『武豊の父』と言わせてみせます」と発言した。2009年3月に行われた父の調教師引退パーティーでは「あなたの息子で光栄でした」とスピーチし、感謝の言葉を述べていた。

 最も多く勝った重賞は阪神大賞典の8勝。春秋を合わせた天皇賞11勝(春6勝 秋5勝)は単独1位。一方でマイルチャンピオンシップとは相性が悪く、関西のGⅠで唯一未勝利である(関東では朝日杯フューチュリティーステークスが未勝利)。

 2002年に死んだサンデーサイレンスのたてがみをお守りとして財布の中に入れている。

 2005年3月20日に行われた岡部幸雄騎手の引退セレモニーで、「数々の記録を破ってすいませんでした」との発言をし場内を沸かせていた。

 競馬学校の2年先輩である石橋守を敬愛していて行動をともにすることがよくある。調教師の池江泰寿とは小学校および中学校の同級生で幼馴染である。


 「10年の3月27日に阪神で落馬し、左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折、右前腕裂創という大ケガを負った。馬上で必要以上のアクションはとらず、ムダなくスマートに馬を伸ばす。若い頃は好位から運ぶことが多かったが、トゥザヴィクトリーでエリザベス女王杯を追い込んで勝った01年の頃からタメて末脚を活かす競馬が増えた。近年は腰を悪くしており、パワーや馬群の捌きが少し甘くなっている印象を受ける。周りを見ながら落ち着いて騎乗しており、見ている者に与える安心感は彼独特のものだ。コース別、距離別、芝・ダート別で目立った偏りはない。武豊の逃げに競りかける者は少なく、逃げが想定される状況では狙い目になる。逃げた時の連対率は07年が.677と高率で、08年以降もずっと5割を上回っている。取材に対しては非常に丁寧。自分の思いが間違ったニュアンスで伝えられると取材拒否をすることがある。悪いことは言わないので、馬券の参考になるかは微妙だ。」(佐藤祐樹元地方競馬騎手・2011年著)

 「腕力がなくなったか、手をこねくる感じで馬を前に出せていない。首の上げ下げに対してタイミング良く押してはいる。反射神経の衰えも深刻だ。事前に混雑を回避したり、スペースのあるところにサッと入ることができず、右往左往して何もできずに終わるケースが多い。2011年のクレバートウショウの京王杯スプリングC(5着)と安田記念(4着)の捌きはヒドいものだった。そんな騎乗のあとでも「スペースがなかったね」といった感じで自分の非を認めるコメントは出さない。これは昔からである。2011年の1番人気馬での成績は[20・7・13・39]の勝率.253、連対率.342。穴馬を勝たせるケースは少ない(単勝回収率は55パーセント)。自然と流れに乗る形になればもちろん結果は出せて、意地で重賞を5つ勝った。有力厩舎が積極的に起用することはなくなり、2011年に最も騎乗数が多いのは美浦の小島太厩舎となっている。それでも注目されるのが武豊。必要以上に人気になって2011年の平均人気は4.5で、平均着順は6.6と2以上も数字を落としている。ミスが多い上に配当効率が悪いのだから、もはや買えるジョッキーではない。」(佐藤祐樹元地方競馬騎手・2012年著)
 ほっさん愛馬での成績 (5戦2勝)

 2007年 6月10日 ディヴァインシチー 3歳500万下         東京ダ1600m 1着1番人気
 2007年10月27日 ステップシチー    500万下           京都芝2000m  6着/3番人気
 2008年 1月20日 ダブルダンスシチー 500万下           京都ダ1800m  1着1番人気
 2012年 2月19日 エスポワールシチー フェブラリーS GⅠ     東京ダ1600m  5着/3番人気
 2012年11月17日 ハルシュタット    500万下            京都ダ1200m 11着/9番人気

2012年1月22日 平安ステークス GⅢ でレーザーバレットに騎乗する武豊騎手

これ以降は2012年12月1日に作成

●専門誌の印と評価

競馬ブック

見解

「破竹の勢いのローマンレジェンド。上位の力はここ2走で示した。これといった注文もつかない。7連勝濃厚と見る。勢いではワンダーアキュートもヒケを取らない。JBCクラシックが圧巻。地力強化歴然。武蔵野Sが派手な勝ちっぷりだったイジゲン、復調なったエスポワール、叩き2走目のトランセンドの巻き返しにも注意。」


短評は「上位拮抗」

展開予想

「トランセンドが前へ。ハナを主張する馬がいなければ先制。直後のエスポワールシチー、ワンダーアキュート、ニホンピロアワーズがキツくマークすることなく、中盤まで出入りはない。ローマンレジェンドは中団馬群で前の動きを見ながら運ぶが、後方のソリタリーキング、イジゲン、シビルウォーが進出を図ったところで合わせてスパート態勢に。前方ではGⅠの場数を踏んできたトランセンド、エスポ、ワンダーらが激しく攻防。ローマンが馬群から颯爽と抜け出し、まとめて捉える。」



予想家の印
馬名 長岡利 山田理 西村敬 CPU
エスポワールシチー △△ △△ △△
トゥザグローリー
トランセンド
イジゲン
ホッコータルマエ
ローマンレジェンド △△
ニホンピロアワーズ
ソリタリーキング
二重△は△△で処理
あとは無印

デイリー馬三郎

本紙の見解

「外国馬の参戦こそないが、ダート路線の精鋭が集いハイレベルな戦いが予想される。特に今年の3歳世代は強力で、なかでも◎イジゲンは底知れぬ能力の持ち主。前走の走りならGⅠにも手が届く。充実著しい○ワンダーアキュートが相手の筆頭。〈浜口〉」

◎ イジゲン
○ ワンダーアキュート
▲ ローマンレジェンド
× ハタノヴァンクール
☆ ホッコータルマエ
△ ミラクルレジェンド
△ エスポワールシチー
△ トランセンド



エスポワールシチーは全22記者中 ◎(本命)印 2記者、〇(対抗) 2記者、▲(3番手) 4記者、×(4番手評価) 3記者、☆(5番手評価) 1記者、△(6番手以降評価) 9記者。

ラジオNIKKEI

12月2日(日)阪神競馬場で行われるジャパンカップダート(GI)に出走予定のエスポワールシチー(牡7 栗東・安達昭夫)について、追い切り後の関係者のコメントは以下の通り。

●エスポワールシチーについて安達昭夫調教師

「先週の追い切りは気合が乗りすぎて引っ掛かってしまいましたが、一杯で行けましたので、今朝は武豊騎手に馬なりで調整して欲しいと伝えました。気合乗りもよく、終いもしっかり伸びてくれました。状態はいいと思います。最近は気合が乗って、覇気がありますね。

今年は去年とそう変わりないのですが、夏をうまく越せました。夏に弱くてバテるところのある馬ですが、放牧に出しながら、北海道でレースに使いながら、疲れを残さないようにしてきました。去年よりも今年の方が、調子がいいように思います。

(主戦の)佐藤哲三騎手の負傷は残念ですが、武豊騎手に頑張ってもらいたいです。フェブラリーSではテン乗りでしたが、今回は2回目ですからね。馬の状態も分かってもらえるでしょうし、全く不安はありません。馬は年齢を重ねてきているので、疲れを取りにくくなっているところはありますが、今はいい状態です。いいレースが出来ると思いますので、応援お願いします」

●エスポワールシチーについて武豊騎手

「今回は急な乗り替わりとなりましたが、ぜひ頑張りたいと思いました。(フェブラリーSで一度コンビを組んでいるが)今回は初めてではなく2回目ですから、前回とは少し違いますね。前回のレース時に『いい馬だな』と感じました。初めてだったので勉強をして乗ったのですが、自分としては不完全燃焼のレースになってしまい、悔いが残ります。乗って感じることがあったので、それを今回生かしたいと思います。

(追い切りの指示は)先週速いタイムを出しているので、今週の追い切りはさほど強くやらなくていい、少し行きたがるところを注意してほしいとのことでした。いい調教ができたと思います。コンディションは良さそうです。

これだけの実績馬ですし、長年ダート界のトップに君臨する馬ですからね。そのような馬に乗せてもらえるので、力を出したいです。急遽の代打ですがベストを尽くしたいですし、佐藤哲三騎手の気持ちを思うと相当つらいはずですから、その気持ちを胸にレースに臨みたいです」

●ローマンレジェンドについて藤原英昭調教師

「素質は感じていたので、何とかJCダートに出走させようとの計画で、ここまで来ました。この夏の北海道でエスポワールシチーを負かして重賞を勝った時に、疲れがあったのですが、うまくリフレッシュできました。前走、しっかり勝ってくれたことは重要だったと思います。

今朝の追い切りはM.デムーロ騎手が騎乗しました。初めて乗るので、馬の特性を確かめて欲しかったんです。馬はある程度できているので、最後の反応はデムーロ騎手に任せました。馬場は重たかったですが、動きはよかったと思います。大一番に向けて、100%です。デムーロ騎手はみやこSで他の馬に乗っていて、この馬の強さを分かっていたようで、その通りのイメージを持ってくれたようでした。

力があるとはいえこれだけ連勝するとは、我々が思っていた以上でしたね。4歳ですしまだまだ成長している雰囲気があります。まだ奥がありそうです。今後も期待の膨らむ馬です。強豪ばかりですが、悔いの無い仕上げを心がけています。最大の目標を獲りにいきたいと思います」

●ローマンレジェンドについてミルコ・デムーロ騎手

「藤原調教師からは『併せ馬で、先に行く馬の3~4馬身後ろから行ってくれ』とのことでした。少し掛かるところを見せたので難しかったですが、いい調教が出来たと思います。馬を交わしたときに待ってしまうところがありましたけど、とてもすばらしい状態です。

ジャパンカップダートはとても大きなレースで、みんなが勝ちたいと思っているレース。もちろん僕も勝ちたいです。今回、岩田騎手の代打ということで、このような素晴らしい馬に乗せてもらい、チャンスだと思っています。有力馬も多いですし、難しいレースになるかと思いますが、頑張ります。岩田騎手に勝利を捧げたいです」


●ワンダーアキュートについて佐藤正雄調教師

「JBCクラシックは完璧ともいえるレースで、ようやくGIを取らせてもらいました。スタートも良く、早めにいいポジションを取れたので脚を溜められました。有力馬が来たら外に出して、思った以上にいい脚を使ってくれましたね。その前走の馬体重はマイナス21キロ、私もびっくりしました。当日の朝には510キロぐらいだったのですが、装鞍所では501キロ。それでも、馬体のシルエットはまさに競走馬らしく、すばらしい体をしていました。今回は前日輸送もないので、プラス10キロくらいを想定しています。

前走後は目に見えない疲れを取るように調整してきました。昨日からの雨でコンディションが悪かったので、CWでの追い切りは6ハロン84秒くらいを想定していました。今朝の寒さで霜が降りたようで、上滑りするような馬場のためにさほど時計は速くないですが、ラスト1ハロンは12秒を切るくらいの脚を見せてくれました。心配はしていません。息遣いなども問題ありません。

去年はスタートでアクシデント(大きく躓く)がありました。あのようなことは滅多にないと思いますが…スタートが五分ならどこからでも競馬ができますからね。あとは平常心で臨めば、結果が出ると思います。去年はこのレースで惜敗、そのあとの東京大賞典でハナ差負けて、本当に悔しい思いをしました。何とか頑張って、いい結果が出せればと思います」

●ワンダーアキュートについて和田竜二騎手

「JBCクラシックは、休み明けで半信半疑だったのですが、本来のこの馬のレースをしてくれたと思います。勝ったことも嬉しかったですが、いい頃の走りが戻ってきたこともよかったです。状態は上がってきていて、普通に走れればと思っていたのですが、思った以上に頑張ってくれました。GIではずっと惜しいところまでは来ていたので、すっきり勝ててよかったです。

前走から間隔が詰まっていたので、先週の調教は息を整える程度。今朝の最終追い切りは、終いを伸ばしておいて欲しいとのことでした。いつもどおりのこの馬の動きで、スムーズでいい動きでした。状態は引き続き良さそうです。

去年はスムーズにレースができませんでした。力は示してくれましたが、本来のこの馬のレースではありませんでした。悔しい負け方でした。今年は力を出し切りたいし、いつものこの馬のレースをしたいと思います。馬は精神的に強くなってきました。前走の走りが、いい頃の走り。前走ぐらいのパフォーマンスができればと思います。強い馬がたくさんいますし、一瞬のアヤで勝負が決まってしまいますから、いかにスムーズにレースができるか。やることはシンプルなので、自分の競馬をして、結果がついてくればいいですね」


●ミラクルレジェンドについて藤原英昭調教師

「ローマンレジェンドのお姉さんですが、この馬もやはり凄いですね。改めて実感しています。この馬の最大目標はJBCレディスクラシック連覇でした。それが達成できてホッとしています。その後は船橋のクイーン賞への出走を考えましたが、協議してこのレースへの出走を決めました。

(姉弟似ているところは?)やはり、ダートで走るところでしょうかね。ダート適性があり、精神力が強いところも共通しています。牝馬のトップに立って、牡馬相手にどれだけやれるかの挑戦になりますが、去年のこのレースでもそれほど負けていませんでした。面白いレースができると思います。

状態は引き続きいいですね。今回コンビを組む川田騎手に追い切りにも乗ってもらいましたが、イメージ通りいい動きで、いいレースができそうだという感触を掴んでもらえました。枠順が決まってから、作戦を練っていきたいです。

もう一度牡馬と対戦して、どれだけやれるのかとワクワクしながら出走させられます。応援をお願いします」


●ホッコータルマエについて西浦勝一調教師

「前走は休み明けでしたがいい感じで仕上げられましたし、レース前から楽しみにしていました。いざレースでは、休み明けにしてはよく頑張ってくれました。速い流れで、前にいた馬が軒並みバテているなかで、この馬は最後また差を詰めていましたから。いい競馬でした。一度使って、今回はもっと良くなっていると思います。

1週前追い切りは併せ馬で、気合乗りを確かめました。今朝はオープン馬と併せてびっしりとやりました。これで十分だと思います。今朝の坂路は時計が掛かっていたので、時計そのものは関係ないと思います。動きはよかったですね。

この馬はオンオフがしっかりしていて、レースセンスも持っています。スタートもよく、いいところにつけられますからね。来年に向けて楽しみいっぱいです。どんどん成長していますので、その成長度がどこまでのものか、楽しみにしています。応援よろしくお願いします」

JRA-HP

イジゲン

“名は体を表わす”と言うが、例えば、クロフネは外国産馬にとってのダービー開放元年(2001年)にGI・2勝を含む重賞4勝と大活躍し、“黒船来襲”を彷彿とさせた。また、走ったすべてのレースで、大きな衝撃と感動をもたらしたディープインパクトも馬名通りの活躍をした馬と言えるかもしれない。実績ではこの2頭の域にまだまだ達していないものの、無限の可能性を感じさせるイジゲン。スタートの大きな出遅れを克服して、大外からひと捲りする形で突き抜けた前走の武蔵野S(1着)でのパフォーマンスは、まさに“異次元”と呼びたくなる走りだった。GI の大舞台では少しのロスでも致命的になりかねないため、前走のような競馬では苦しいかもしれないが、この中間はゲート練習をしっかりと積んで、弱点克服に心血を注いでいる。前々走の1600万下・秋嶺S(東京・ダート1600m、1着)のようなスムーズな競馬ができれば、GI でも好勝負になるはずだ。

ローマンレジェンド

エスポワールシチーをクビ差の2着に退けた前々走のエルムS優勝に続き、前走のみやこSでは直線半ばから馬群を割る形で差し切り、重賞連勝。条件クラスを連勝していた頃は勢いが優っている印象もあったが、実績を積み上げた現在は一流馬にしかない風格も醸し出すようになってきた。“ダート界の新星”という立場ではなく、堂々の主役候補として今回のGI に登場することとなりそうだ。エルムS後にひと息入れて臨んだみやこSは、秋の大一番・ジャパンカップダートを見据えて、幾分余裕を残した状態での出走。ひと叩きした上積みの大きさは、うなるような気配を見せるこの中間の調教での動きを見れば明らかだろう。半姉ミラクルレジェンドとの初対決も話題のひとつになりそうだが、7連勝でのGI 制覇となれば、それさえも霞んでしまいそうだ。

エスポワールシチー

ダートで7つのGI・JpnI 勝ちがあるが、そのうちの6勝までが1600mの距離で挙げたもの。スピードを最大の武器としているとあって、マイラータイプのイメージが強いが、このジャパンカップダートを2009年に優勝し、昨年はトランセンドから0秒3差の3着。ダートでは、〔0・2・0・1〕と勝ち星のない2000mと違い、1800mは〔5・2・1・0〕と1600mに次いで得意にしている距離だ。5月のかしわ記念(船橋・ダート1600m)に続き、今年に入ってJpnI 2勝目をマークした前走のマイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート1600m)は、2着馬ダイショウジェットに4馬身差、そこから3着馬のアドマイヤロイヤルには6馬身差という圧勝だった。7歳を迎えた現在も能力の衰えはまるで感じられない。2010年のフェブラリーS以来となる久々のJRA・GI 勝ちも期待できそうだ。

ワンダーアキュート

昨年の12月から今年の2月にかけてのGI・3連戦で、ジャパンカップダート2着→東京大賞典(大井・ダート2000m)2着→フェブラリーS3着と好成績をマーク。誰もが認める高い能力を持っているにもかかわらず、GI のタイトルには縁がなかったワンダーアキュート。それだけに、7度目のGI・JpnI 挑戦でついに悲願のJpnI 奪取となった前走のJBCクラシック(川崎・ダート2100m)は、陣営にとっても格別の勝利だったに違いない。鞍上の和田竜二騎手にとってもテイエムオペラオーで2001年の天皇賞(春)を優勝して以来となるビッグタイトル制覇で、今回は久々のJRA・GI 奪取を目指す。そのJBCクラシックは、2着馬シビルウォーに5馬身差、3着馬トランセンドにはさらに3馬身差をつける圧勝だった。〔5・1・0・2〕と得意の阪神コースで、前走と同様のパフォーマンスを再現できれば、おのずと好勝負になるはずだ。

トランセンド

一昨年、昨年のこのレースを連覇しているように、今回の豪華メンバーに入っても、実績・実力ともに最上位と言える存在。今年初戦のフェブラリーS7着、続く国際G1・ドバイワールドC(メイダン・オールウェザー2000m)13着と、昨年とは大きく違う戦績が現在のこの馬の評価を難しくしているが、前走のJpnI・JBCクラシック(川崎・ダート2100m)では折り合いを欠いたテスタマッタ(5着)に道中で競り込まれ、なおかつ勝負どころで有力馬が一気に仕掛けてくる厳しい展開。それでも、最後まで辛抱して3着に粘り切ったレース内容に、復調気配は感じ取れた。休み明けでも潜在能力が高いだけに好成績を残せたが、本質的には実戦を使って状態を上げていく叩き良化型。この馬が得意とする逃げ・先行の形に持ち込むことさえできれば、同一GI 3連覇という偉業達成の可能性も十分にあるはずだ。

トゥザグローリー

芝の重賞を5勝している実力馬のダート初参戦。最近では、芝の重賞からダートのGI 挑戦で好結果を挙げた馬は見られないが、古くは、1998年に中山金杯(1着)からフェブラリーSを制したグルメフロンティアの例もある。なにより、この馬の母であるトゥザヴィクトリーは、初めてのダート挑戦となった2001年のフェブラリーSで3着、続く国際G1・ドバイワールドC(ナドアルシバ・ダート2000m)では2着に大健闘した実績を持つ。ダート向きのパワフルなフットワークはもちろんだが、血統のバックボーンが大きな魅力と言えそうだ。夏場に弱く、秋の休み明け数戦もその影響が残りやすいタイプ。同馬が調子を上げてくるのが、本格的に気温が下がってくるこの時季である。現在の状態は、約4か月の休み明けで18着と大敗を喫した前走の天皇賞(秋)よりもはるかに良くなっており、大きな変わり身を見せても驚けない。
JRAで行われるダートのGI は、2月に東京競馬場で行われるフェブラリーSと12月に阪神競馬場で行われるこのジャパンカップダートの2レースのみ。地方交流重賞のGI・JpnI は7レース(2歳・3歳限定を除く)組まれているが、JRA所属馬は出走頭数が限られているだけに、オールスター戦の様相にはなりにくい。GI・JpnI を勝っている実績馬、飛ぶ鳥を落とす勢いの連勝馬、そして成長期にある3歳馬と、多彩なメンバーで行われる今年のジャパンカップダートは、見どころ十分の白熱した戦いが期待できるはずだ。ここでは、多士済々の顔触れとなった出走メンバーを紹介していきたい。

重賞勝ちは、前走の武蔵野Sのみ。今年の登録馬の中でも実績的には下位にランクされるイジゲン(牡3・堀宣行)だが、武蔵野Sは馬名の通りに“次元が違う”というレース内容。同じ芦毛で2001年のジャパンカップダートを圧勝したクロフネを思い起こさせるような衝撃的な走りだった。相変わらずのゲート難に加えて、今春のオープン特別・端午S(京都・ダート1800m、4着)以来となる関西遠征、コーナー4回の競馬と、不安材料はあるが、それでも期待せずにはいられないスケールの大きさがこの馬にはある。一気にダート界の頂点へと駆け上がっても不思議はないはずだ。

エルムS、みやこSの重賞2勝を含み、現在6連勝中のローマンレジェンド(牡4・藤原英昭)も、今回のジャパンカップダートで初のGI タイトルを狙う1頭だ。ペースに左右されない自在な脚質だけでなく、前走のみやこSでは直線で前が開いた瞬間に突き抜けるという優れた瞬発力も披露した。イジゲンとは対照的な競馬センスの高さが、この馬の最大のセールスポイント。ダートでは9戦8勝2着1回という準パーフェクトの成績。安定感という意味では、この馬が今回のメンバーの中で最上位かもしれない。

エスポワールシチー(牡7・安達昭夫)は前々走のエルムSでローマンレジェンド(56キロ、1着)に敗れているが、着差はわずかにクビで、背負っていた斤量はエスポワールシチー(59キロ、2着)のほうが、3キロも重かった。内容は勝ち馬と互角以上と考えてもいいだろう。前走のJpnI・マイルチャンピオンシップ南部杯(盛岡・ダート1600m)は、2着馬ダイショウジェットに4馬身差をつけるワンサイド勝ち。JRA・地方交流重賞を合わせてGI・JpnI 7勝の底力はやはり侮れない。

前走のJBCクラシック(川崎・ダート2100m)で悲願のJpnI 初制覇を果たしたワンダーアキュート(牡6・佐藤正雄)も争覇圏内の1頭と言える。5か月半の休み明けで臨んだJBCクラシックは、マイナス21キロと大幅に馬体重が減少していたものの、2着馬シビルウォーに5馬身差をつける圧勝。この馬の底力がそれだけ傑出していたということだろう。昨年のジャパンカップダートは5番人気ながら勝ち馬のトランセンドから2馬身差の2着に好走。ビッグタイトルを獲得した勢いに乗って、昨年の雪辱を狙う。

昨年のこのレースを2馬身差で完勝し、ジャパンカップダートの連覇を果たしたトランセンド(牡6・安田隆行)。今年は初戦のフェブラリーSが7着、次走の国際G1・ドバイワールドC(メイダン・オールウェザー2000m)が13着と、この馬らしくない成績に甘んじたが、約7か月ぶりの実戦となった前走のJpnI・JBCクラシックでは、レース序盤に競り込まれる厳しい展開にもかかわらず3着を確保と、復調の兆しを見せた。ひと叩きされた今回、巻き返しのチャンスは十分にあるはず。

芝の重賞を5勝しているトゥザグローリー(牡5・池江泰寿)は、初めてのダート参戦がGI と常識的には厳しいが、路線変更が吉と出る可能性も十分にあるだろう。母トゥザヴィクトリーは、2001年のエリザベス女王杯を筆頭に芝の重賞で4勝をマークしたほか、同年のフェブラリーSで3着に入ったあと、国際G1・ドバイワールドC(ナドアルシバ・ダート2000m)で2着に大健闘と、芝・ダートを問わずに活躍した名牝で、この馬自身のフットワークも母と同様にパワー型。寒い時季に調子を上げるタイプというのも大きなセールスポイントだ。

シビルウォー(牡7・戸田博文)は、3走前のJpnIII・マーキュリーC(盛岡・ダート2000m)を4馬身差の圧勝、前々走のJpnII・ブリーダーズゴールドC(門別・ダート2000m)が6馬身差の楽勝、前走のJpnI・JBCクラシックで2着と、近走の充実ぶりが著しい1頭。今年のフェブラリーSの覇者テスタマッタ(2着)を6馬身も突き放したブリーダーズゴールドCの勝ちっぷりは衝撃的だった。あの走りが再現できれば、今回のメンバーでも差はないはず。

ソリタリーキング(牡5・石坂正)は、2番人気に支持された前走のJpnI・JBCクラシックで4着に敗れたが、半兄のヴァーミリアン(ダートGI・JpnI 9勝)よりも馬体が薄いタイプで、JRAの砂質のほうが自慢の瞬発力を活かせるタイプ。今春にオープン特別のブリリアントS(東京・ダート2100m)を5馬身差で圧勝したあと、次走のGII・東海S(今年は京都・ダート1900mで開催)で重賞初制覇を達成、夏場の休養を挟んで約4か月の休み明けで臨んだ秋初戦のJpnII・日本テレビ盃(船橋・ダート1800m)を優勝と、3連勝を飾った実力馬だけに、前走の敗戦だけで軽視はできない。

ニホンピロアワーズ(牡5・大橋勇樹)は、前走のみやこSで好位追走から直線で先頭に立って押し切りを図ったが、勝ち馬のローマンレジェンドにゴール寸前で差し切られて、クビ差の2着に惜敗。今年に入って、JpnIII の名古屋大賞典(名古屋・ダート1900m)・白山大賞典(金沢・ダート2100m)を優勝したほか、東海Sと前述のみやこSでともに2着と、重賞戦線で堅実な成績を収めている。地力強化が著しい現状なら、GI の大舞台でも上位争いは可能だろう。

みやこSに出走した3歳馬の中で3着と最先着を果たしたのが、レパードSの覇者ホッコータルマエ(牡3・西浦勝一)。道中は好位のインを追走し、直線でも最内を突いて、勝ち馬のローマンレジェンド、2着馬ニホンピロアワーズと追い比べに持ち込んだが、惜しくも3着に敗れた。しかし、勝ち馬とは0秒1差で、3か月の休み明けだったことを考えれば見どころ十分。古馬の一線級と互角に戦えることを証明できたのは、大きな収穫と言える。

今年に入って4連勝と破竹の勢いでJpnI・ジャパンダートダービー(大井・ダート2000m)を制し、ビッグタイトルを獲得したハタノヴァンクール(牡3・昆貢)。約4か月の休み明けで臨んだ前走のみやこSは2番人気の高い支持を受けたが、スタートダッシュがつかず、後方追走の競馬になり、3コーナーから外を回って追い上げにかかったものの、直線で伸び脚を欠いて10着に敗れた。前走で連勝が止まったとはいえ、それまでの戦績は素晴らしかっただけに、ひと叩きされた上積みが見込める今回、巻き返しに期待したい。

前走のJBCレディスクラシック(川崎・ダート1600m)を快勝したミラクルレジェンド(牝5・藤原英昭)。2010年のレパードSで重賞初制覇を飾ったあとは、地方交流重賞を主戦場に転戦して重賞6勝をマークしている。ダート1800mでは〔9・1・0・1〕と抜群の成績を挙げており、4着以下に敗れたのは昨年のジャパンカップダートの6着のみで、勝ち馬のトランセンドから0秒5差と大きく負けていない。今年に入って重賞3勝を積み重ね、地力強化が目覚ましいだけに、上位進出のチャンスはあるかもしれない。

●前走レース後の騎手・調教師・専門誌のコメント

エスポワールシチー(1着)

 「去年(の南部杯)も参加させていただきたかったんですけど、ぼくの怪我で乗れなかったので、今回はすごく気合を入れてきました。コーナーが2つの左回りは合ってると思うんで、乗りやすいですし、馬も走りやすいんじゃないかと思います。まだまだ老け込んでないんで、JRAのGⅠでも結果を出したいと思います。」(佐藤哲三騎手・ウェブハロン)

 「夏があまりよくないので、放牧に出して北海道の涼しいところで過ごさせました。いい状態で帰ってきて、エルムステークスもいい状態だったんですけど、59キロと大外枠もあって、ちょっと負けてしまいましたけど、差し返そうという気持ちがあったので、あれでスイッチが入ったんだと思います」(安達昭夫調教師・ウェブハロン)
 「前走のエルムステークスがいい叩き台となり、馬も気合いが乗っていました。まだまだ元気一杯でこれからも活躍してくれると思います」(佐藤哲三騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

 「前走後、脚元に疲れが残り心配されましたが問題ありませんでした。レース後若干疲れは見られるものの許容範囲で、次走についてはジャパンカップダートに向かいたいと思います。当初、JBCも視野に入れていましたが、距離も短く脚元のこともあるので、無理をせずに阪神まで待ちたいと思います」(安達昭夫調教師・友駿ホースクラブ公式HP)
デイリー馬三郎

 「前回勝ったとき(09年)の声援は覚えていた。それに復興競馬はまだ続いている。勝てて良かったですね。馬の状態は絶好調だった。それにエルムS(2着)で若い馬とたたき合って、闘志が戻っていた。これなら負けないと思っていました。」と佐藤哲は顔をほころばせる。昨年は震災の影響で東京開催となった南部杯。2年ぶりに開催の地元の歓声に笑顔で応えて喜んだ。
 思えば2年前の盛岡から歯車は狂い出した。断然人気を裏切る2着。その秋に米国遠征したエスポワールシチーは心身とも疲弊して本来の圧倒的なパフォーマンスが影を潜めた。ジョッキー自身も骨折して昨年の南部杯には騎乗できず。苦しい時期を乗り越えてきた。「7歳馬だけど、ダート馬はもう1回(年齢を重ねてから)チャンスが来る」。再び訪れるであろう上昇気流を辛抱強く待ち、ようやく納得の状態が戻りつつある。
 次に狙うは頂点への返り咲き。「1回挟むかどうかわからないけど、JCダート(12月2日・阪神)が目標」と安達師は09年以来、2度目の国際GⅠ制覇を見据える。覇権奪回を目指す古豪が、因縁の地から再スタートを切った。

ウェブハロン

直線後続を寄せつけず完勝 7歳でも衰え知らずGⅠ・7勝目

 昨年は震災の影響によって東京競馬場での開催となったマイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ。その東京競馬場に流れた岩手のジーワン・ファンファーレには感動したが、2年ぶりに南部杯が盛岡競馬場に戻り、そして久々に聞くジーワン・ファンファーレも感慨深いものがあった。雲ひとつない真っ青な空は、まるでそれを祝福しているかのようだった。
 そして7歳でもまだまだ衰えることを知らないエスポワールシチーも、岩手のファンの前で久々に他馬を圧倒するレースぶりを披露した。
 スタートで波乱が起きた。単勝2番人気のナムラタイタンが前につんのめるように躓いて騎手が落馬、競走中止となった。メイショウタメトモが積極的にハナを奪い、断然人気のエスポワールシチーは2番手。しかし半馬身と差はない。ナイキマドリードもピタリと追走。ダイショウジェットがそのうしろで早め4番手。アドマイヤロイヤルが続き、中団よりうしろから追いかけたスーニは向正面の中間で行き場をなくしたのか、鞍上が立ち上がるようなシーンがあった。
 3~4コーナーで手ごたえ十分のエスポワールシチーが前に並びかけると、直線を向いてメイショウタメトモ、ナイキマドリードが脱落。あとはもうエスポワールシチーのひとり舞台となった。ダイショウジェットが追ったが差は詰まらず、4馬身の差を保ったまま完勝。3着のアドマイヤロイヤルにはさらに6馬身の差がつき、いかにも盛岡のダートグレードらしい、実力以上に差が開く決着。1頭が落馬しても残ったJRA勢5頭が掲示板を独占。地方最先着の6着はダートグレード実績のあるナイキマドリードで、地元岩手勢にとっては厳しい結果となった。


 勝ったエスポワールシチーは、南部杯は3年ぶり2度目の制覇。GⅠ・JpnⅠは、かしわ記念に続いて今年2勝目で、通算では7勝目となった。
 前走のエルムステークスGⅢでは、上がり馬ローマンレジェンドと叩き合いの末、わずかの差で2着に敗れたエスポワールシチーだが、「若い馬と併せ馬になって、それで闘志が戻ってきたのか、調教もすごく弾んで走っていたので、これだったら絶対負けないなとは思っていました」と佐藤哲三騎手。
 「7歳ですけどまだまだ元気です。今年はこの先、最終的にジャパンカップダートを使いたいですね」と安達昭夫調教師。ちなみに、かしわ記念と南部杯を制した09年は、その後にジャパンカップダートも制している。その09年の再現となるかどうか。
 ダート中長距離路線ではスマートファルコンが引退し、地方のフリオーソも復帰にメドが立たず。一方で、先のローマンレジェンドなど若い馬が台頭してきていよいよ世代交代かという状況だが、エスポワールシチーは古豪健在をアピールするには十分のパフォーマンスを見せた。
 今回の南部杯は最終レースとして組まれたこともあり、表彰式はパドックで行われた。終了後、佐藤騎手は集まったファンひとりひとりのサインの求めに丁寧に応じ、それはスタンド2階からの“餅まき”イベントが終了してもまだ続いていた。そしてサインをし終えて引き上げる時に、残ったファンから拍手が沸き起こった場面は印象的だった。

●各陣営のコメント

エスポワールシチー

 「苦手な夏をうまく過ごせたのは大きい。最近は馬に覇気があって気合が乗っているし、昨年よりもいい状態で臨める。」(安達昭夫調教師・デイリー馬三郎)

 「先週の稽古はテンから飛ばしてしまい終いは一息でしたが長目から追えて気合いは十分です。残念なことに佐藤騎手が乗ることができませんが状態はここ最近では最も良いので健闘を期待します」(安達昭夫調教師・友駿ホースクラブ公式HP)

●ほっさん予想

 エスポワールシチーは2枠4番ということで絶好位ですね。武豊騎手得意のポンと上手くスタートを切れれば、後は最短距離でゴールまでまっしぐらでいいですね。外枠ですと距離ロスが心配ですが、後入れ偶数枠の非常にいいところが取れました。

 ・・・とはいえ、昨年は枠が不利だと言われていたトランセンドにこてんぱんにやられましたが・・・。


 正直、能力的に若いワンダーアキュートの方が、昨年末辺りからエスポよりも上だと思っています。トランセンドも1度使われての今回ですから、前走よりも状態は良いでしょうし、そう考えると3着でも御の字なのかも知れません。

●口取りの権利を持って現地応援に行ってきます

 今年の平安S以来エスポのレースの現地に行く機会がなく口取りの権利も申し込んでいませんでしたから、そろそろ当たるかな?と期待を込めて応募したのですが、見事に口取りの権利に当選!!エスポが勝てば優勝したフェブラリーS以来ターフでの口取りとなります。阪神のターフでは初めてですので是非とも実現したいと思うのですが、自分の中ではワンダーアキュートには勝てないと言う思いがありますので、気楽な気持ちで行きたいと思います。

 フェブラリーSの口取り達成の時は体の状態が悪く東京まで無事にたどり着けるかという程でしたが、今回は地元ですし気負いもなくリラックスして望めます。

これ以降は2013年1月8日に作成

●パドック

 当日は口取りの権利に当選したのでスーツを着込んで朝早くから競馬場に行き(とはいえ、遠方からいらしたUragaさんの方が到着が早く、席を取っていただいていました)、エスポ記念グッズを買い込み、パドックにはいつものように約1時間前から張り付いてエスポの登場を心待ちにしていました。

 写真はすべて撮影順です。


今年1月の平安ステークス以来となる愛馬エスポワールシチーとの対面。



馬体は相変わらず素晴らしい。



幾千世牧場の応援幕は初めて見た気がしました。



いつもは煩いエスポですが、落ち着いてしまっていました。悪く言えば覇気がなくなって来た気がします。



それでも単勝2番人気。今年唯一のダートGⅠ2勝馬ですから。



こちらは前走ワンダーアキュートから大きく離された3着だったトランセンド。こちらも馬体は悪くないですし、追い切りもいつものように猛時計なんですけどね。



1番人気のローマンレジェンド。



私が勝つだろうと思っていたワンダーアキュート。



正直善戦マンでここも良くて2、3着と思っていたニホンピロアワーズ。



エスポと横断幕。



キャロで1億2千万円で募集された超高額馬にして初ダートのトゥザグローリー。



そのトゥザグローリー陣営。



とまーれーのあと。前走で騎乗馬のなかった武豊騎手が来てくれるだろうと思って待ち構えていましたが、パドックには来られませんでした。



断然1番人気のローマンレジェンドと急遽の乗り替わりになったミルコ・デムーロ騎手。



3番人気のワンダーアキュートと和田竜二騎手。



11番人気のグレープブランデーとさすがにここでも5着に持って来たクリストフ・ルメール騎手。



結局このあと勝ち、悲願のGⅠ制覇となるニホンピロアワーズと酒井学騎手。




10番人気ソリタリーキングと現在騎手リーディングトップの浜中俊騎手。



14番人気のミラクルレジェンドと6着まで持って来た川田将雅騎手。



12番人気のシビルウォーとウチパクこと内田博幸騎手。



もう一丁。



7番人気のトゥザグローリーと怒っているように見えるウィリアムズ騎手。



背中を丸め肩を落とし、人馬とも絶不調の藤田伸二騎手とこのレースを2年連続で勝っているトランセンド。




4番人気イジゲンと難しい顔をしているムーア騎手(15着)。

●本馬場入場


バドックから急いで馬場に行ったのですが、人が多くて間に合いませんでした。上位人気馬(2番人気)ということでクローズアップされていました。いくらなんでも人気になりすぎですよね。

●レース 



ここだけ見ても凄いメンバーです。



国際レースですが、外国馬の参戦はほとんどありません。エスポが勝った3年前に1頭いましたが。思い起こせば、あのレースも外国の大物サマーバードが参戦予定でしたが、来日後に故障発生して回避したというエスポには運もありました。あれがなければエスポは2着だったかも知れません。もちろん、外国馬にとって右回りは鬼門ですけどね。



さすがは武豊騎手。スタートの巧さは抜群です。



前に行って粘り込むしかないと思っていましたから、この好スタートは嬉しかったですね。



あとは武豊騎手の抜群の体内時計で絶妙なラップを刻めれば、あわや!?と思っていました。



もう完全にハナに立つ勢いです。



ということでハナに立てました!!



少し離し気味に逃げていますが、昔のエスポとしてはたいしたラップでもありません。



手応えも終始良く、ワンダーアキュートには交わされても2着はあるかな?とこの時点では思っていました。



3番手に7番のトランセンドがいます。昨年は枠の不利なトランセンドに早めに交わされてエスポは全く抵抗する力もなかったんですよね。今年はトランセンドも全くといっていいほど力をだせなくなってしまいました。そういう意味ではエスポは長く活躍してくれています。トランセンドが絶対的に強かったのはほんの1年間くらいですもんね。



この辺りではわざとペースを落として息を入れ、絶好の状態だと思いました。



しかし、なんとなんとそこから突き放すこともなく馬群に飲み込まれ、沈んでいくばかり。勝ったのは善戦マンだが勝つまでは行かないと思われたニポンピロアワーズ。ちなみにトランセンドはシンガリ負け・・・。



3着も人気薄のホッコータルマエ。



西園正都厩舎のフロアクラフトの調教でお世話になっている酒井学騎手、悲願のGⅠ初優勝!!おめでとうございます。私も素直に嬉しかったですね。



実に1985年ニホンピロウィナーの安田記念以来のGⅠ制覇となったニホンピロの冠名で有名な小林百太郎オーナー。



思わず前に行って表彰式と優勝騎手インタビューをじっくりと見てしまいました。オーナーと共に苦しみ抜いての勝利ですから見ている方も感動です。



これがGⅠ初制覇となった開業11年目の大橋勇樹調教師。



優勝騎手インタビューに応える酒井学騎手。途中、なんだかわけがわからなくなる場面も・・・(笑)。

●時計の評価

 今回のエスポワールシチーの走破時計1分50秒4良馬場は、私の想定通りの時計であり、今のエスポに50秒を切る時計は厳しいですね。中央の高速馬場で結果を残すのは難しいと思います。

●レース後の騎手・調教師のコメント

エスポワールシチー(10着)

 「スタートが決まれば先手を取ろうと思っていた。スンナリ行けたが、向正面で手前が替わらなくて4角では手応えもなかった。」(武豊騎手・競馬ブック)

 「上手くスタートが切れたのでハナに立ちましたが、道中は力んで走っていました。しかし直線は手ごたえが無く伸びませんでした」(武豊騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

 「状態に関しては申し分ありませんでしたが、直線は以前に見られないような止まりようでした。原因についてははっきりしませんが馬体などには異常ありません。今週一杯は様子を見て一旦放牧するか、このまま厩舎で調整するか決めたいと思います。いずれにしてもこのような結果となってしまい会員の皆様には申し訳ありませんでした」(安達昭夫調教師騎手・友駿ホースクラブ公式HP)

●専門誌のレース評価

ウェブハロン

 黒く厚い雲に覆われた阪神競馬場は、最高気温が10度に届かず真冬を思わせる寒さ。夕方からは雨の予報もあり、実際にジャパンカップダートGⅠのパドックから本馬場入場のころに雨が落ちてきたが、それでも最終レースまで傘をさすほどの降りにならなかったのは幸いだった。
 3年前の覇者エスポワールシチー、一昨年、昨年と連覇しているトランセンドが出走してきたが、1番人気に支持されたのは、6連勝の快進撃で一躍ダート戦線の本命と目されるようになったローマンレジェンド。
マイルチャンピオンシップ南部杯JpnⅠ圧勝で衰えのないことをアピールしたエスポワールシチーがやや離れて2番人気、差のない3番人気にはJBCクラシックJpnⅠを5馬身差の圧勝でGⅠ・JpnⅠ初制覇を果たしたワンダーアキュートで、新興勢力と実績馬が人気の中心となった。しかし勝ったのは、単勝19.9倍の伏兵ニホンピロアワーズだった。
 
佐藤哲三騎手の怪我によって武豊騎手に乗替りとなったエスポワールシチーがすんなりと先頭に立ってレースを引っ張る。ホッコータルマエが2番手で、差なくトランセンドが併走、ニホンピロアワーズ、ワンダーアキュート、グレープブランデーらが続き、ローマンレジェンドはその後ろ中団から。
 
勝負どころを前にした3コーナーでトランセンドが後退し、エスポワールシチーも4コーナーから直線で徐々に下がっていったところは、このレースのひとつ印象的なシーンだった。
 代わって抜群の手ごたえで先頭に立ったのはニホンピロアワーズ。同じような位置を追走していた好位勢が必死に追っていたが、ニホンピロアワーズの酒井学騎手はがっちり手綱をおさえたまま。ようやく追い出されたのは残り200メートルを切ってから。あっという間に後続を突き放し、馬群を捌いて2着争いから抜け出してきたワンダーアキュートに3馬身半差をつけての完勝となった。
 勝ったニホンピロアワーズは、普段は抜け出すとソラを使うところがあるそうなのだが、「これならという手ごたえで、追い出したらよく伸びてくれました。後続の脚音も聞こえなかったので、こんなに強い勝ち方をしちゃうのかとびっくりした」と酒井騎手。前々走の白山大賞典JpnⅢをはじめ、地方でのダートグレード3勝ではいずれも強い勝ち方を見せていたが、中央のダート重賞では善戦するも勝ちきれないでいた。それだけに、「前走から今回にかけての変わりようがびっくりするくらいすごかった」とも。
 一方、昨年に続いての2着だったワンダーアキュートは、前走JBCクラシックではマイナス21キロだった馬体重を再び同じだけ戻してプラス21キロ。直線では前が壁になる場面があり、外に持ち出してから追い出し、伸びてはいたものの、今回は勝ち馬の勢いには及ばなかった。
 3着に3歳のホッコータルマエが入り、注目のローマンレジェンドは4着まで。主戦の岩田康誠騎手がジャパンカップでの騎乗停止のため、乗替ったミルコ・デムーロ騎手は「ずぶくて押しても行ってくれなかった」と。管理する藤原英昭調教師は、「展開もハマったと思ったんですが、勝負どころでイメージよりも伸びなかった。ずぶくて難しいところがあるから、ミルコがかわいそうだった。まだ若いし、これからです」と騎手をかばった。
 
エスポワールシチーは10着、トランセンドは最下位16着に沈み、2着のワンダーアキュートこそトランセンドと同じ6歳だが、それ以外は6着のミラクルレジェンドまで若い5歳以下の馬が上位を占め、いよいよ世代交代を感じさせた。また近年、JRAのGⅠでは社台グループの生産馬による上位独占が目立っているが、上位3着まで日高の生産馬が占める結果ともなった。

エスポワールシチー(10着)

 「少し仕掛けた程度でスッとハナに行けたが、その気になって抑えが利かず、なかなかペースを落とせなかった。4角でサッと交わされ、踏ん張り切れず。」(競馬ブック)

●気になる賞金は

 特別出走手当のみの384000円。1口で割りますと695円と思われます。正直、ここまで貰えないとは夢にも思っていませんでしたので、非常に残念です。

●今後の展望

 すでに今年の初めに平安S GⅢを敗れた時点で、もはやエスポワールシチーはGⅠはおろか、重賞でも勝てないのではないかとまで思っていました。それが相手に恵まれたとはいえ交流GⅠを2勝。良く頑張ってくれたと思います。出来過ぎです。私は当時から追い切りの動きやパドックでの気配が絶頂期とは随分と違うと言って来ましたが、今回、一線級のメンバーとやりあって、力不足を痛感しました。

 武豊騎手の乗り方が悪かったとか、いろいろあるかも知れませんが、それでも少なくとも勝ち負けレベルではなかったです。時計も1分48秒8良馬場とメチャメチャ速いですし、全盛期のエスポでもこれだけの時計で走れたかどうか。

 しかし、10着とはいえ、エスポも1分50秒4良馬場とまだまだオープンでやれる時計ですし、明け8歳という高齢を考えると本当に頑張ってくれています。GⅡやGⅢで小銭を稼ぐと言う方が現実的でしょうね。そう思っていた年初から1年も夢を見させて貰ってエスポには本当に感謝です。

●最後に

 確かにハイペースでしたが、全盛期のエスポはハイラップで飛ばしていても最後までしぶとかったですし、阪神のダート1800mで1分50秒を切るタイムはエスポには年齢的にもう出せないでしょう。

 レース前にも追い切りの動きも全盛期とはほど遠い状態ですし、追い切りの強さも以前よりも全然軽いと書きました。いつまでも強いときのエスポのイメージの方がいらっしゃいますが、私はすでに現実を受け入れていますので勝ち負けに絡めないことに対してはさほどの衝撃はありませんでした。

 しかし、ジャパンカップダートは非常に賞金の高いレースですし、掲示板に載ってくれればそれなりの金額が貰えます。まさか掲示板を外すことはないと思っていましたので、国内で初めて掲示板を外したことに関しては大変ショックでした。

 そのショックがあまりにも大きく、レース後の更新が大幅に遅れたことをお詫びいたします。

 私もショックですが、わざわざ関東から応援にいらしていた雲雀さんやUragaさんには更に一層ショックなことだったと思います。

 それにしても武豊騎手も追う力がなくなってしまって寂しいですね。


 これらの成績から、過去の絶対王者としての面目があるでしょうから、引退の文字もちらつくと思いますが、私は大敗続きでも現役で居て欲しいと思います。種牡馬入りもできるかも知れませんが、すでに同じゴールドアリュールの血を引くスマートファルコンが種牡馬入りをしていますし、二束三文の種付料しか貰えないでしょう。もちろんエスポの子を愛馬として持ちたいという夢はありますが、それはもっと後からでも実現できます。来年1年は少なくとも現役でいて欲しいですね。ローカルやGⅢ級巡りでも構いませんし、果敢にGⅠに挑戦して大敗続きでも構いません。

 ただ、最近はエスポも疲れが取れにくく、無理に出走するくらいなら回避をお願いしたいですね。故障だけは絶対に行けませんから。


 それにしても、いつも書いていますが、エスポはいつまでも大きな怪我なく走ってくれるのでありがたい馬です。本当にいい馬に巡り合えました。感謝しています。

最後までご愛読ありがとうございました

2012年11月9日立ち上げ 11日、15日、19日、21日、25日、28日、30日、12月1日、2013年1月8日加筆
エスポワールシチーの過去の特集をご覧になりたい方はこちら

2012年10月 8日 第33戦 南部杯 JpnⅠ 盛岡ダ1600m (1着1番人気

2012年 8月25日 第32戦 エルムS GⅢ 札幌ダ1700m (2着2番人気

2012年 6月27日 第31戦 帝王賞 JpnⅠ 大井ダ2000m (2着1番人気

2012年 5月 2日 第30戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (1着/3番人気)

2012年 2月19日 第29戦 フェブラリーS GⅠ 東京ダ1600m (5着/3番人気)

2012年 1月22日 第28戦 平安S GⅢ 京都ダ1800m (2着1番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2011年12月 4日 第27戦 ジャパンカップダート GⅠ 阪神ダ1800m (3着2番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2011年11月 6日 第26戦 みやこS GⅢ 京都ダ1800m (1着1番人気

2011年10月10日 第25戦 南部杯 JpnⅠ 東京ダ1600m (4着2番人気) 

2011年 6月29日 第24戦 帝王賞 JpnⅠ 大井ダ2000m (2着2番人気

2011年 5月 5日 第23戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (3着1番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2011年 3月21日 第22戦 名古屋大賞典 JpnⅢ 名古屋ダ1900m (1着1番人気) 写真多数付き現地観戦レポート

2010年11月 6日 第21戦 ブリーダーズカップ クラシック GⅠ チャーチルダウンズ ダ2000m (10着/7番人気)

2010年10月11日 第20戦 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ 盛岡ダ1600m (2着1番人気

2010年 5月 5日 第19戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (1着1番人気

2010年 2月21日 第18戦 フェブラリーステークス GⅠ 東京ダ1600m (1着1番人気) 写真多数付き現地レポート

2009年12月 6日 第17戦 ジャパンカップダート GⅠ 阪神ダ1800m (1着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年10月12日 第16戦 マイルチャンピオンシップ南部杯 JpnⅠ 盛岡ダ1600m (1着2番人気

2009年 5月 5日 第15戦 かしわ記念 JpnⅠ 船橋ダ1600m (1着2番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年 3月29日 第14戦 マーチステークス GⅢ 中山ダ1800m (1着1番人気

2009年 2月22日 第13戦 フェブラリーステークス GⅠ 東京ダ1600m (4着/5番人気) 写真多数付き 現地レポート

2009年 1月25日 第12戦 平安ステークス GⅢ 京都ダ1800m (2着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年11月24日 第11戦 トパーズステークス オープン 京都ダ1800m (1着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年11月 2日 第10戦 錦秋ステークス 1600万下 東京ダ1600m (1着1番人気

2008年 9月27日 第9戦 西脇特別 1000万下 阪神ダ1800m (1着2番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年 8月30日 第8戦 500万下 小倉ダ1700m (1着/4番人気)

2008年 8月10日 第7戦 秋吉台特別 500万下 小倉芝1200m (7着/3番人気)

2008年 7月20日 第6戦 3歳未勝利 小倉芝1200m (1着1番人気

2008年 6月21日 第5戦 3歳未勝利 阪神芝1400m (2着/4番人気) 写真多数付き 現地レポート

2008年 5月 3日 第4戦 3歳未勝利 京都芝1600m (6着/2番人気

2008年 4月20日 第3戦 3歳未勝利 福島芝1800m (5着1番人気

2008年 3月29日 第2戦 3歳未勝利 阪神芝1400m (2着1番人気

2008年 3月 9日 デビュー戦 3歳新馬 阪神芝1600m (3着1番人気) 写真多数付き 現地レポート

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